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August 8, 2004
『グラスホッパー』伊坂幸太郎
[ book , cinema ]
幻想と現実との境目が消えていく。小説でも、映画でもよくある話だし、特に目新しい材料も見つからない。どうせ現実の中の幻想が侵食し始め、最後にはすべてが幻想だったというオチがつくのだろうと思っていると、どうも様子が違っている。話の随所で思わせぶりな展開を見せられ苛つきもするが、どこか潔い。 鯨という“自殺屋”には、自分が自殺させた者たちの亡霊が見えるらしい。気になるのは、亡霊の姿が現れるとき、生きてい...全文を読む ≫
投稿者 nobodymag : 6:00 AM