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January 20, 2019

『あなたはわたしじゃない』七里圭

[ cinema]

 こうしてこの作品についてなにかを書こうとするときにすでに頭を悩ませているのは、作品のタイトルは『あなたはわたしじゃない サロメの娘 | ディコンストラクション』と副題込みで書くべきなのかどうかということだ。あった方がコンテクストはよくわかるが、しかし監督のオフィシャルサイトでは副題なしで表記されていて、だから正式な表記として、「サロメの娘 | ディコンストラクション」部分を前々作の「(in pr...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:54 PM

January 17, 2019

『スローモーション、ストップモーション』栗原みえ

[ cinema]

 この映画を一言で言い表すならば、東南アジアを訪れた作家自身の個人的な放浪旅の一途にすぎないのかもしれないし、そこで暮らす数年来の友人たちを記録したホームビデオだと説明できるのかもしれない。しかし、こうした一見閉塞的な要素を孕みそうな題材や内容であるにもかかわらず、『スローモーション、ストップモーション』に風通しの良さを覚えるのは、変わりゆくものや変わることに対する栗原みえの素直な反応によって、無...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:21 PM

『マディ・トラック』バーナード・シェイキー

[ cinema]

"Muddy Track is not a documentary, I don't know what the fuck it is." (ニール・ヤング)  ニール・ヤングの言う通り、『マディ・トラック』がいったいなんなのかはさっぱりわからない。だが上記の発言にもかかわらず、というか上記の発言ゆえにと言うべきか、ニール・ヤングは1995年のインタビューで「もっともお気に入り」...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:40 PM

January 13, 2019

『Rocks Off』安井豊作

[ cinema]

 灰野敬二が鳴らすアップライトピアノは、前板が取り外されてその中身をむき出しにしている。暗がりの中でわずかに長い髪が確認できるだけでその顔さえ見ることもできない演奏者とはうらはらに、ピアノはその内部を映画の観客の眼前にさらけ出し、音が作り出される過程を可視化する。しかしそれによって逆説的に、アップライトピアノは、演奏者が叩いた鍵盤がハンマーを動かし、ハンマーが弦を叩くことによって音が鳴る、という装...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:18 PM

January 8, 2019

『マチルド、翼を広げ』ノエミ・ルヴォウスキー

[ cinema]

 奇妙な言動を繰り返す母としっかり者の小学生の娘マチルド。母は家を空けることが多く、学校でも周囲になじめないマチルドはいつも一人で過ごしていたが、ある日彼女のもとに言葉を話すフクロウがやってくる。大人であることや母親でいることから逃れようとするかのように常に逃げ去りさまよう存在である母と、そんな母の娘として囚われの身となっているマチルド、そしてそこに訪れるフクロウもまた籠の中に囚われている。フクロ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:54 AM

January 2, 2019

『天使の顔』オットー・プレミンジャー

[ cinema]

 フィルムノワールや犯罪メロドラマにおける、最強の悪女、ファムファタルは誰だろうか。  『マルタの鷹』のメアリー・アスター......『深夜の告白』、『呪いの血』のバーバラ・スタンウィック......『哀愁の湖』のジーン・ティアニー......『郵便配達は二度ベルを鳴らす』のラナ・ターナー......『過去を逃れて』のジェーン・グリア......『上海から来た女』のリタ・ヘイワース......『...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:13 PM