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August 13, 2021

『優しき殺人者』ハリー・ホーナー

[ cinema ]

 アイダ・ルピノは、監督2作目『ネヴァー・フィアー』(1950年)が商業的に不振に終わり、夫コリアー・ヤングとともに創設したプロダクション、フィルムメイカーズの経営が傾いたことから、RKOのハワード・ヒューズに資金繰りを求める。こうして結ばれた提携はルピノたちにとって不利なものであり、それがひとつの要因となってフィルムメイカーズは1955年に制作を中止してしまう。RKOとの共同一作目である『アウ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:53 PM

August 8, 2021

『オキナワサントス』松林要樹

[ cinema ]

 黒地に白抜きの文字、縦書きでふたつ隣り合って並んだ「オキナワ」と「サントス」。タイトルにあるふたつの地名の間にある関係性を、上映中ずっと考えていた。  1943年7月8日にサントスで起こった「日系移民強制退去事件」。ドイツ軍によるサントス港付近での商船への攻撃を受け、枢軸国系の住人が市外へと24時間以内に退去させられた。ドイツ人の数百家族、日系移民が6500人、そのうちの約6割ほどが沖縄県出身者...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:26 AM

August 5, 2021

雑誌『日常』一般社団法人 日本まちやど協会

[ book , current montage ]

 本誌を発行した「一般社団法人 日本まちやど協会」のWEBサイトによると、『「まちやど」とは、まちを一つの宿と見立て宿泊施設と地域の日常をネットワークさせ、まちぐるみで宿泊客をもてなすことで地域価値を向上していく事業である』と書かれてある。ひとつの宿という完結した空間を通じて、飲食や入浴などを提供する場が従来型の宿泊施設であるならば、まちやどとは「まち」全体が大きな宿であり、ゲストに向けたさまざま...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:56 PM

August 1, 2021

第32回マルセイユ国際映画祭、FID 報告ーーカンヌからマルセイユへーー

[ cinema ]

 7月19日から25日にかけて、マルセイユ国際映画祭FIDが開催された。昨年から今年にかけて、多くの映画祭が中止、あるいはオンライン開催を余儀なくされたにも関わらず、FIDは2020年度も開催された稀な映画祭の一つだ。通常は7月初旬を会期としているが、今年度は、パンデミックの影響で時期をずらしたカンヌに合わせ、その直後へ日程変更される形となった。ディレクター、ジャン=ピエール・レム氏が指揮を執るF...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:49 PM