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November 30, 2023

《第24回東京フィルメックス》『雪雲』ウー・ラン

[ cinema ]

 10年の刑務所生活を終えたジャンユーは島の小さな美容室を訪れる。店の中に入るとすでに中年男性が女性店員から施術を受けていて、ジャンユーは待合の椅子に座る。先の男性の会計が終わり、ジャンユーがセット椅子に案内される。彼が施術を受けている間、10歳くらいの少女が店に帰ってくる。ジャンユーは彼女を一瞥する。それから彼も会計を済ませ、店を後にする。キャメラは会計をキャッシャーに戻す女性店員を捉えるのだが...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:50 PM

November 20, 2023

《第36回東京国際映画祭》 『20000種のハチ』(公開題『ミツバチと私』)エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン

[ cinema ]

  人はこの世界に生まれ落ち、物心がついた時、自身が何らかの名前で名指されているという事実に気づく。多くの人はそれを当たり前のこととして何の気もなく受け入れていくだろう。あるいは幾らかの人は、そのことに戸惑いながらも、名指されてしまった名前を自ら名乗ることで自己をかたち作ろうとする。しかし、そのなかにごくわずか、名指された名前を引き受け切れぬほど傷ついた魂の持ち主がいる。  8歳のルシアはある一家...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:06 AM

November 18, 2023

『ザ・キラー』デヴィッド・フィンチャー

[ cinema ]

 ザ・キラー(マイケル・ファスベンダー)がパリのうらぶれた廃ビルの一室で獲物を待っている。彼の前にはちょうどスタンダードサイズのスクリーンのような四角形の窓があり、そこからは道向かいにある豪奢なホテルが見える。彼のモノローグは、平静を保ちながら暗殺という職務を遂行するための条件を語ってゆく。パリと他の国の都市が異なる気候や環境音を持っていること、そのなかで暗殺をするのに最適な手段を選ぶこと、スナイ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:33 AM

November 15, 2023

『僕らの千年と君が死ぬまでの30日間』菊地健雄

[ cinema ]

 人魚の血によって永遠の生を得たふたりの男が、百年に一度人間として生まれ変わるその人魚と30日間だけ巡り会う。その30日間が過ぎると人魚は死んでしまうので、その前にどうにか彼女に魂を返してこの呪いの連鎖を解きたい主人公と、そうなったら永遠の生を孤独に生きなきゃならなくなるので邪魔をする相方、ということを千年繰り返してきた三人の現代篇がこの映画版ということらしい。  漫画、映画、舞台版が並行して制作...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:23 PM

November 12, 2023

『あずきと雨』隈元博樹

[ cinema ]

 『あずきと雨』においてとりわけ印象的なのは、登場人物たちを照らす陽の光であった。主人公ユキ(加藤紗希)の家、ユキの職場である不動産屋、ユキと家出少女のリコ(秋枝一愛)が内見に訪れる二つの家、ロケ地はいずれも日当たりが良い場所ばかりで、窓からたっぷりと日光が降り注ぎ、たびたび外を眺める彼らの顔を照らす。  本作は、ユキが別れた後も同棲を続けている元恋人ノブ(嶺豪一)に家を出ていってほしいと告げてか...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:29 PM