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August 8, 2007

『天然コケッコー』山下敦弘
田中竜輔

[ cinema , cinema ]

 このフィルムの主人公はのどかな田舎の風景の中に遊び、泣き、笑い、騒ぐ子供たちだ。それゆえに同じように子供を中心に置いた傑作を何本か思い出してみるが、『蜂の巣の子供たち』や『ションベン・ライダー』のような破綻寸前の冒険も、『大人はわかってくれない』『新学期・操行ゼロ』の抵抗も、『動くな!死ね!甦れ!』のような凍てついた叫びも、このフィルムの子供たちからは見えてくることはないし聞こえてくることもない...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:34 AM

『SOUTH』安田南
梅本洋一

[ cinema , music ]

1974年の2月に南青山にあったジャズクラブ、ロブロイでのライブ版の復刻。安田南のこのレコードや続いて出た『Sunny』を愛聴版にしていたぼくは、かなり前からCDリリースを待っていた。大里俊晴から「出たらしいですよ」と聞いてタワレコに走った。  歳をとったせいか70年代のことをとてもよく思い出す。大学に入ってからこのライブが録音されたロブロイ──安倍譲治がやっていたジャズクラブ──や六本木のミ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:25 AM

August 4, 2007

『コンナオトナノオンナノコ』冨永昌敬
宮一紀

[ cinema , cinema ]

 斉藤陽一郎と桃生亜希子演じる若い夫婦がシネマ・ロサの階段を上るところからはじまるこの映画は、これまでの冨永監督作品同様にいかにも奇妙な状況をいくつもかいくぐりながら、しかし次第になにか恐ろしい事態がひそかに進行しつつあることを印象づける。そのことに気がついたのは、笑っていたはずの頬がいつのまにか引き攣っている、そんな収まりの悪さを何度か経てからだった。  たとえば杉山彦々とエリカによるベッドシー...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:49 PM

August 3, 2007

『コンナオトナノオンナノコ』冨永昌敬
鈴木淳哉

[ cinema , cinema ]

 たまさか、スチール撮影で末席に加えてもらったということで呼んで頂いた試写会場で、いくらそのスクリーンに投影された光によって、なにやら色々な感情が沸き上がって来るのを感じ、そのいくつかの言語化に成功したとはいえ、それを即座に他人にも理解できるよう文章化するには、いかにも私の機知などが及ぶところではなく、また、油断すると監督の姿を見つけるやぬらりと脂ぎった顔で、その検討外れの称賛など投げかけるといっ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:05 PM

August 1, 2007

ベルイマン、アントニオーニ追悼
梅本洋一

[ cinema , cinema ]

 大往生とは言え、ふたりの巨匠が同日に亡くなった。アントニオーニは『ある女の存在証明』以降のフィルムは、正直言って退屈の一語──目が見えなくなってしまったので仕方がない──だが、ベルイマンは何度も「遺作」を撮り、『サラバンド』が本当に「遺作」になってしまった。  このふたりについて少しばかり真摯に書いてみよう。「真摯に」というのは、ある一時、ぼく(ら)がふたりのフィルムをしっかりと見ることができな...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:48 AM

アジアカップ2007総括
梅本洋一

[ cinema , sports ]

 日韓戦はPK戦で敗れ4位に終わったアジアカップ。このチームで6ゲーム戦えたことは収穫だったが、それ以外に何か得たものがあったろうか。多くの人々がオシムの方向性の正しさを指摘するが、実際はトゥルシエよりもジーコよりも成績が悪い形でアジアカップを終えている。検証すべきものが多いだろう。  敗戦に終わったサウジ戦後の韓国戦。フレッシュな選手を使うかも知れないと言っていたオシムだが、実際は山岸を使い、カ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:44 AM

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