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April 30, 2005

Champions League semi-final 1st Leg ミラン対PSV 2-0 チェルシー対リヴァプール 0-0
梅本洋一

[ cinema , sports ]

まずサンシーロのミラン対PSV。去年のポルトやモナコを見る限り、この言葉は使いたくないのだが、「格」という言葉を考えてしまう内容。確かにフース・ヒディングと彼のチームは一生懸命やっている。3トップに近い布陣から皆がよく走りボールを追いかける。だが、前半終了間際とタイムアップ寸前というもっとも失点してはいけない時間に失点し、堅守のミランからホームで3点取らねばならないほとんど不可能な戦いを強いられて...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:17 PM

April 27, 2005

『伊丹十三の本』「考える人」編集部 編
梅本洋一

[ book , book ]

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私の世代にとってエッセイスト伊丹十三は決定的だ。この本は、伊丹十三が書物に収めなかったエッセーと伊丹を知る人たちや彼の文章を読んだ人たちのインタヴューと伊丹の写真で構成されている。最近、彼の本も相次いで文庫化されている。私たちの世代にとっての伊丹の重要さ加減は、本書に登場するどの人も『ヨーロッパ退屈日記』を高校時代に読んで衝撃を受けたと書いていることで証明される。そして、私もそのひとりだ。多感な青年になりかけの時分に、他者とちょっと異なる態度と生活を自らに導入したいと思うのは自然だが、『ヨーロッパ退屈日記』はその格好の参考書だった...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:48 AM

April 25, 2005

『コーヒー&シガレッツ』ジム・ジャームッシュ
藤井陽子

[ cinema , cinema ]

86年にジャームッシュの『ダウン・バイ・ロー』で、翌87年にはヴェンダースの『ベルリン・天使の詩』で助監督を務めたクレール・ドゥニは、88年に彼女の長編処女作『ショコラ』を完成させ、90年には『死んでもへっちゃらさ』を発表した。この『死んでもへっちゃらさ』に出演しているイザック・ド・バンコレとアレックス・デスカスが、『コーヒー&シガレッツ』の6番目の物語「NO PROBLEM」で再び共演している。...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:34 PM

『フルタイムライフ』柴崎友香
神徳雄介

[ book , music ]

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新しい春だ。この季節になるといつも不思議に思うことがある。山手線の車内で、昼間のオフィス街で、週末の夜の盛り場で、いろんなところでスーツを着た会社員と思しき人の一群を目にする。その中にまじっている新入社員をどうしてか、容易に見分けることができる。真新しい、着慣れないスーツのせいばかりではない。彼らのまとっている空気が、他の人のそれよりもなんとなくこわばっている。不安や緊張や焦り、そしてそういうこと以上に、新しい毎日の中でできるだけしゃんとして前を見ていようとする気概が...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:00 AM

April 22, 2005

チェルシー対アーセナル 0-0
梅本洋一

[ cinema , sports ]

いくらぼくが「諦めるな!」と叱咤激励しても、勝ち点差11、残りゲーム6という現状は心得ている。アーセナルは、もうFAカップとリーグ2位を死守し来年のチャンピオンズリーグにダイレクトインという目標に切り替えているはずだ。だが、スタンフォードブリッジでの対チェルシー戦。これは見なければならない。チェルシーは負けなければいい。2位死守のためにアーセナルは勝ちたいゲーム。だが結果はスコアレスドロー。 結果...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:47 AM

April 21, 2005

『私の家は山の向こう─テレサ・テン十年目の真実』有田芳生
衣笠真二郎

[ book , book ]

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テレサ・テンが亡くなったのは10年前。その死は突然というよりも唐突であったように記憶している。歌手としての彼女の存在を忘れていたわけではなかったが、「え、死んだの?」と訝って聞き返すしかないような驚きがそこにはあった。それは不意を打たれたからではない。ゆっくりとした不気味なものが彼女の存在を飲み込んでしまったようにも感じられる、不確かな疑惑こそが彼女の死を伝えるニュースには漂っていたからである。なぜテレサ・テンはいきなり死んでしまったのか、そのような人々の疑問に答えるようにしてメディアは《テレサ・テン=スパイ説》を垂れ流して人の死を食い物にした...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:59 PM

April 20, 2005

『ビッチェズ・ブリュー/タコマ・ナロウズ』ローザス
三橋 輝

[ photo, theater, etc... , sports ]

舞台の3方を囲む幕から覗ける(ちょうど膝から下の分だけ隙間がつくられている)、いくつものヒールを履いた脚が、DJによって流される脈絡のないバックトラック──ジミ・ヘンドリクス、デスティニーズ・チャイルドなど──のリズムにのってステップを踏んでいる。ここでは、身体の一部しか見られないという目隠しの効果も手伝って、集中して見てしまうその脚の動きはプロのダンサーだからなのだろう、普段目にするものよりもず...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:02 PM

April 16, 2005

『現金に手を出すな』ジャック・ベッケル
藤井陽子

[ book , cinema ]

初老のギャングであるマックス(ジャン・ギャバン)は、行きつけの店のジュークボックスや彼の第2の家(隠れ家)で「グリスビーのブルース」をかけていた。そして金魂があらわになる時にも、いつも「グリスビーのブルース」が流れていた。金塊とこのブルースは密接に結びつき、マックスもまたこのブルースから離れられない。 「金魂」で思い出すのは、同じくジャック・ベッケルの『赤い手のグッピー』だ。最後までなかなか見つけ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:46 PM

April 15, 2005

Champions League quarter-final 2nd leg バイエルン・ミュンヘン対チェルシー 3-2
梅本洋一

[ cinema , sports ]

ミラノのサンシーロが発煙筒の炎に包まれた頃、ミュンヘンのオリンピック・スタジアムではゲームの趨勢が決しつつあった。もしぼくがミラノにいてインテルのサポーターだったら、発煙筒を放り込んだかもしれない。カンビアッソのクリーンなヘッディング・シュートがネットを揺らしても、ファールの判定に腹を立てるのは当然だろう。ミスジャッジだ、だが、暴力的な行為は許せない、ましてや主審はドイツナンバーワンだ、そんな声が...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:45 AM

April 14, 2005

『紙の花』グル・ダット
田中竜輔

[ cinema ]

『アビエイター』はハワード・ヒューズの幼年期の母親との回想のショットに始まり、ヒューズの映画制作を含む人生の激動の20年程を語ることに映画の大部分を費やし、そして冒頭の場面に回帰することで終わる。つまりそれはハワード・ヒューズというひとりの神経症を病んだ男の原体験を、「QUARANTINE」という単語の響きとともに映画の全体に共鳴させることで、ハワード・ヒューズという強烈な人物像に対して常に暗い影...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:55 PM

『F.O.B HOMES BOOK』F.O.B HOMES 監修
須藤健太郎

[ book , cinema ]

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4月に入り、街を歩いているとやたらとテンションの高い人たちを見かける。スーツを着ていれば新社会人で、私服だったら新入生だろう。始まりの予感に満ちていて、とても楽しそうだ。 この前、今年から新社会人になった友人と話していて思ったのは、「わからないことだらけでストレスが溜まる」とか言いながら、けっこう新生活を楽しんでいるということだった。とにかく前向きで、たとえば初めて名刺を持つという些細なことを彼は...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:52 AM

April 11, 2005

『バッド・エデュケーション』ペドロ・アルモドバル
梅本洋一

[ cinema , cinema ]

『私の秘密の花』以来「巨匠」への道を歩み続けていたアルモドバル。確かにそのメロドラマは、たとえ『オール・アバウト・マイ・マザー』のように表面的には「倒錯的な性」が存在していても、口当たりのよいものになり、かつてからの「毒」は彼から消えつつあったのも事実だ。もちろんアルモドバル自身は、誰よりもそのことに気づいていたにちがいない。『神経症すれすれの女たち』や『アタメ』を撮ったアルモドバルは、決して誰も...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:43 PM

April 8, 2005

『四十日と四十夜のメルヘン』青木淳悟
月永理絵

[ book , cinema ]

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「日付けを追いかけては引き返し、手ぐり寄せては押し戻す」、主人公のあるいは作者のそんな試みは偏執狂的なまでに徹底している。主人公あるいは作者の、と言ったのは、この小説に登場する「わたし」が小説を書こうとする行動が、同時に『四十日と四十夜のメルヘン』という作品を形づくっているからである。「わたし」をめぐる物語や、私小説にすらなり切れていない日記としか呼べないような小説が、今は溢れ返っているような気が...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:18 AM

April 7, 2005

『FILING—混沌のマネージメント』織咲誠・原研哉+日本デザインセンター原デザイン研究所 企画/構成
藤井陽子

[ book , sports ]

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たとえば部屋の中をぐるっと見回してみると、それだけで人はかなり多くの種類の物質を目にすることができる。自らが意図して、あるいは無意識のうちに、集まっていったものとその混沌を、単に無機的に整頓するのではなく、ゆるくまとめ、ものとものとを出会わせる有機的な空間を生み出すような整理をしないか、というのが「FILING」のひとつの提案で、本書ではその実行例や、実行する際に手助けとなるひと工夫された道具、ア...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:33 PM

Champions League quarter-final 1st leg チェルシー対バイエルン・ミュンヘン 4-2
梅本洋一

[ book , sports ]

前半は両チームとのプレスの掛け合いで中盤で優位を取れない。バイエルン、チェルシーともこの戦い方でここまで勝ち上がってきたわけで、チェルシーもモウリーニョ不在であってもこの戦い方を変えることはない。両チームともフォーメーションは4-5-1。だがポゼッションは次第にチェルシーが上回るようになる。マケレレ、ランパードのセンターミッドフィールダーふたりの力が、バイエルンをずっと上回り、バイエルンは、頼みの...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:11 PM

『オペレッタ狸御殿』鈴木清順
小峰健二

[ architecture , cinema ]

清順はこの『オペレッタ狸御殿』のインタヴューに答えて、内向的な映画ばかりが目に付くいま、ぜひ馬鹿馬鹿しくて楽しい映画を撮りたかった云々と語っている。つまり、このフィルムは清順流の娯楽映画になるべく製作された。1940年代から50年代にかけて人気を博したかつての「狸御殿モノ」がそうであったように、多くの観客を魅了し、ときに笑いや涙を誘う映画。そのような映画こそ清順がいまこの時代にやりたかった企画なの...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:21 PM

April 5, 2005

『批評と理論』磯崎新、鈴木博之、石川修武 監修
梅本洋一

[ book , book ]

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多くの部分が上下2段組で400ページ近い本書のサマリーを書くことなど不可能だろう。ふたりの建築家とひとりの建築史家が「日本‐建築‐歴史を問い直す7つのセッション」(表紙)を監修している。伊勢神宮から岡倉天心、ブルノ・タウトを経由して岡本太郎、そして監修者のひとりである磯崎新までの2000年近い「日本」の建築が、建築ばかりではなく、美術、文学など多くの視点から辿り直されている。このとても厚い書物を貫...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:15 AM

April 4, 2005

『アビエイター』マーティン・スコセッシ
結城秀勇

[ cinema , photo, theater, etc... ]

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ハワード・ヒューズ。世界最大、世界最速という文句のつく、いくつもの偉業を成し遂げた男。その称号を戴くにふさわしい剛胆さを持ちながら、その反面、潔癖性でそこから派生した神経症を患う。タイトル通りひとりの飛行機乗りとしてのリスクを積極的に負いながらも、一方で微細な細菌や汚れを異様に恐れる、その振幅に焦点を合わせたのが、『アビエイター』におけるヒューズ像である。彼の恐怖の根は、冒頭において植え付けられ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:08 AM

『THE INTERNATIONAL TUSSLER SOCIETY』インターナショナル・タスラー・ソサエティ
月永理絵

[ book , music ]

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まずインターナショナル・タスラー・ソサエティとは何者か、という説明から始めよう。彼らは1989年に結成されたノルウェーの3人組バンド、モーターサイコのメンバーによるサイド・プロジェクトの名前であり、発表されたアルバムのタイトルでもある。インターナショナル・タスラー・ソサエティの発足のきっかけは、あるアメリカ映画、それもウェスタン映画のサントラ制作をてがけたことによるという。そのときサントラ盤として...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:49 AM

『アビエイター』マーティン・スコセッシ
渡辺進也

[ cinema , sports ]

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“the way to the future”
映画も後半、自らの夢をある程度成し遂げたハワード・ヒューズ(レオナルド・ディカプリオ)はこの言葉を何度も何度も繰り返す。それは、まるで故障した機械のようだ。この言葉を呟いているとき、ヒューズはこれまで歩んできた道のりを遠くのほうで意識しつつも、同時にその道のりが自分から本当に遠くにあるように感じながら呟いているように見える。ヒューズは自分の成し遂げて...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:44 AM

April 1, 2005

『吉本隆明「食」を語る』吉本隆明、宇田川悟
衣笠真二郎

[ book , sports ]

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「食」を語る、とタイトルにはあるけれども、インタヴュアーによる聞き語りのなかで街の名店や絶品のメニューといった固有名詞が吉本隆明氏の口に上ることはほとんどない。食べものにかんしては幼いころ母親が作ってくれた味の濃い料理、高校生時代よく飲んだというどぶろくの酒、所帯をかまえ炊事を担当するようになって工夫した調理法……などなど、グルメとはほとんど無縁と言ってよい個人的な食の思い出について隆明氏は感慨深...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:17 AM

サッカー:アジア地区最終予選 日本対バーレーン 1-0
梅本洋一

[ photo, theater, etc... , sports ]

実はゲーム開始前2-0という結果を予想していた。1-0しかもオウンゴールという結果は、クオリフィケーションにありがちな結果だ。ゲームに勝利し勝ち点3をとるという目的が果たされた。とりあえずこれでよいと断言しておこう。引き分けも負けも許されないゲームを勝ったことはチーム力がついた証拠だ。 だが、翌日の新聞には不満が渦巻いている。スコアの面で確かに「辛勝」なのだが、ゲームを見た人ならほぼ全員が共有する...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:15 AM

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