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March 21, 2009

『ベッドタイム・ストーリー』アダム・シャンクマン
黒岩幹子

[ cinema , sports ]

アダム・サンドラーとリメイク版『ヘアスプレー』のアダム・シャンクマン、そしてディズニーが手を組んでつくられた映画。ディズニー的には、一昨年の『魔法にかけられて』と同系列で、かつFOXにやられてしまった『ナイト・ミュージアム』の要素を取り込もうという発想でつくったんじゃないかと思うのだけど、これがちゃんとアダム・サンドラー映画になっているのだった。 子供を寝かしつけるときに創作する物語が現実になると...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:26 AM

March 20, 2009

『月夜のバニー』(「桃まつり」より)矢部真弓
松井宏

[ cinema , sports ]

老いてなお客を引き、ときに若い男を漁りもしよう、そんな場末の女性がバーバラ・スタンウィックを通り越してリリアン・ギッシュに近付くとき、そのフィルムは禍々しくも神々しい何かを纏うに決まっている。そもそも、ギッシュとは場末の女性以外のなにものでもないのだと、それを改めて気付かせてくれただけでも素晴らしい『月夜のバニー』は、だがそこに西部劇のフォルムさえ持ち出して、一挙に観客を惹き付ける。 血の繋がらな...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:29 PM

March 19, 2009

『シャーリーの好色人生と転落人生』佐藤央&冨永昌敬
宮一紀

[ book , cinema ]

 昨年夏の終わりに初めて仙台を訪れたときのこと。仙台メディアテークをしばらくうろついた後、仙台在住の友人・今野くんに連れられて近くの〈マゼラン〉という古書店に赴いた。映画や音楽、そして文芸方面で充実したラインアップを揃える小さな店内の一角はカフェ・スペースになっていて、そこで常連さんとおぼしき女性がひとりコーヒーを飲んでいた。  秋口の仙台で、時間は午後で、外は小雨が降っていて、店の軒先に猫が寝て...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:06 AM

追悼・フランチシェク・スタロヴィエイスキ
宮一紀

[ cinema , design ]

 ポーランドの画家で映画ポスターを数多く手掛けたフランチシェク・スタロヴィエイスキが先月亡くなった。  1960年代以降、世界中で映画が盛り上がる時期が訪れる。東欧でのそれは多分に宣伝用ヴィジュアルとともに受け入れられることになるのだが、そこには50年代後半の自由化と、自由化以降も実質的に続いたソ連の実行支配という背景があったことは否めない。東欧におけるグラフィック表現とは政治的な暗喩の純度の高い...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:10 AM

March 18, 2009

『サッカー批評』42号「LOVE or MONEY」
渡辺進也

[ book , cinema ]

 雑誌には週刊誌、月刊誌、季刊誌とあるけれども、僕にとっての季刊誌といえば現在も、もう何年も前から『サッカー批評』である。個人的にも大好きな名前が執筆陣に並び、ネットやスタジアムでは知ることができないサッカーの話に溢れ、往年のサッカーファンをも唸らせるインタヴューが並ぶ。サッカーだけで140ページが組まれる読み物。今年も『サッカー批評』が出る度に新たな季節が巡ってきたことを知ることになった。  最...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:53 PM

March 16, 2009

シックスネイションズ2009 イングランド対フランス 34-10
梅本洋一

[ book , sports ]

 キックオフから60秒でフランス・ラインのギャップを突いて、クエトーがトライ。拮抗したゲームになるというぼくらの予想が見事なまでに外れた。前半はイングランドのトライ・ショー。なんと5トライをあげ、29-0。フランスはこの時点でタオルだ。  レキップ紙を読んでみると、リエヴルモンを初め、キャプテンのナレ、SHのパラ、この日SOに入ったトラン=デュックも、一様に開始1分にトライ奪われ浮き足立ち、自分の...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:27 PM

March 15, 2009

『あとのまつり』瀬田なつき
宮一紀

[ cinema , cinema ]

 頭上をゆりかもめが走る東京湾岸・運河沿いの埋立地。「この辺、むかし海だったんだよ」と少女が少年に教える。その面影にまだあどけなさを残した少女が唐突に口にする「むかし」という言葉。もちろん「むかし、むかし……」というあのアニメ番組の前口上を持ち出すまでもなく、ここで使われる「むかし」という言葉はいわゆる「伝聞過去」に由来している。出来事を強く喚起するその言葉は再開発が着々と進行する湾岸地帯を突き放...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:37 PM

March 13, 2009

『火と血と星』キャロリーヌ・デルアス
結城秀勇

[ cinema , sports ]

 白黒の画面、独特のタイトル、レナ・ガレルとその祖父モーリス・ガレルというキャスティング、若い左翼活動家が選挙の結果に幻滅するというストーリー、そうした要素を含んだ映画で(しかもフランス映画祭で上映されるとなればなおさら)フィリップ・ガレルという固有名詞を思い浮かべない方がむしろ難しいが、冒頭で若い女性と幼い娘のふたりが過激な歌詞を伴ったパンクなビートに身を躍らせるのを見れば、過剰にそうしたことに...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:51 PM

チャンピオンズリーグ08-09 決勝トーナメント1回戦 2nd Leg
ローマ対アーセナル 1-0 (1-1, PK 6-7)
梅本洋一

[ cinema , cinema ]

 120分の死闘が終わり、PK戦。アーセナルの先攻。まずエドゥアルド。ローマのキーパー、ドニのナイスセーヴ。一番確率の高いキッカーが失敗することはよくある。PK戦というのは、運みたいなもので、この勝負はドローというのが正しい。結局、アーセナルがサドンデスでローマに勝ち、準々決勝に勝ち残った。  どちらもチームも勝ちきれなかったのはなぜか。いつものようにポゼッションではアーセナルだが、決定機はローマ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:16 PM

March 12, 2009

『7つの贈り物』ガブリエル・ムッチーノ
黒岩幹子

[ cinema , sports ]

 深夜にふらりと立ち寄ったシネコンで、最終回に間に合うのがこの映画と『マンマ・ミーア』だけだったために観ることに。『マンマ・ミーア』でなくこの映画を選んだのは、アバがあまり好きではない上に数日前に友人の結婚式に出たばかりだったというのと、この映画にはロザリオ・ドーソンとバリー・ペッパーが出演しているから、という単純な理由によるもの。  冒頭に「7日で神は世界を創った。7秒で僕は自分の世界を壊した」...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:29 AM

SPT(Setagaya Public Theatre)5号 戯曲で何ができるか?
山崎雄太

[ book , cinema ]

 認知度はかなり低いと思われるので説明をすると、SPTは世田谷パブリックシアターがおそらく不定期に発行している演劇雑誌で、「劇場のための理論誌」といううたい文句である。2月末に発行された5号の特集は「戯曲で何ができるか?」。「劇場のための理論誌」「戯曲で何ができるか?」と書かれた表紙をチラと見るだけで、ほとんどの人はうわッと拒否反応を示し、無関心、といって素通り、手にされることすら稀であろうSPT...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:00 AM

March 11, 2009

東京中央郵便局再論
梅本洋一

[ architecture , sports ]

 「旧東京中央郵便局の再開発問題で、鳩山邦夫総務相は10日の閣議後の記者会見で、保存部分を拡大して再開発を進めるという日本郵政の提案を「受け入れる」と表明した。日本郵政は登録有形文化財への登録を目指し、文化庁などと設計変更に向けた協議を進める。どこまで保存するかで協議が難航する可能性もあるが、再開発問題は解決に向けて動き出した」。日本経済新聞は上記のように報道した。  昨今の郵政民営化揺り戻しの影...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:03 AM

『SR サイタマノラッパー』入江悠
渡辺進也

[ cinema , cinema ]

 先日行われた「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」のオフシアター部門のグランプリ受賞作品。  かつて「もう一度だけチャンスを」と歌ったのは若かりし頃のマイケル・ジャクソンだった。「チャンスを追いかけろ」と安室に歌わせたのは後に詐欺で逮捕されることになる小室哲哉だった。自分の出自ゆえに馬鹿にされ虐げられようともそれでも、セカンドチャンスを待ち続け成り上がっていこうとするのは『8mile』のエミネ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:49 AM

『あとのまつり』瀬田なつき
田中竜輔

[ cinema , cinema ]

 その街の人々は「忘れる」ことを恐れている、でもそれって本当に怖いことなのだろうか。『あとのまつり』の主人公であるローティーンの少女が抱く疑問はそれだ。だって「アディオス」とどこかに行ってしまったかのように見えた先輩は、あっというまにそこにまた戻ってきたじゃないか。ついさっき街路ですれ違ったキスを交わしていた恋人たちも、平手打ちを繰り出す大喧嘩をしてはいるけれども、バンドと一緒にダンスを踊ったその...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:01 AM

March 10, 2009

『オーストラリア』バズ・ラーマン
松井宏

[ DVD , cinema ]

 165分。2時間45分。この長さをどう処理するか。まずは半分真っ二つに割ってみる。しかしそれでも手に負えない。ということで、後半部をさらに細かく割ってみる。そうして完成したのが『オーストラリア』だ。とでも言いたくなるような、つまり予め一大叙事詩として構想されたゆえに求められた諸ジャンルの混合が(西部劇、ラヴロマンス(植民地系)、戦争ものetc.)必然性を奪われ、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」に堕...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:08 PM

『あとのまつり』瀬田なつき
梅本洋一

[ cinema , cinema ]

 このフィルムに出会えたことが素直に嬉しい。こんなことはそんなにあることではない。ぼくは、もう少年ではない。ぼくは、もう少女に出会っても心がときめく歳ではない。でも、かつて、そう、もうずっと前だ。そんなことがあった。でも、それは一度きりしかなくて、もう絶対に戻ってくることもない。二度と起こらない何かが、ずっと前に起こった。そして、このフィルムの少年少女のようなことは、きっと、否、ぜったいに誰にでも...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:38 AM

『パッセンジャーズ』ロドリゴ・ガルシア
高木佑介

[ book , cinema ]

 以前どこかでこの映画のチラシを見たとき、『フォーガットン』とまったく同じような匂いがしたので、封切り後すぐに映画館に駆け付ける。  飛行機事故を奇跡的に生き残った5人の生存者たち。彼らのグループ・カウンセリングを担当することになったアン・ハサウェイは、患者たちが次々と失踪していくのを目の当たりにし、何やら自分たちが大きな陰謀に巻き込まれているのではないかと疑い始める。もちろんその先に待ち受けてい...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:48 AM

March 7, 2009

『毒婦高橋お伝』中川信夫
田中竜輔

[ cinema , cinema ]

 車を引く前夫に、床に臥したままの亭主に、人身売買を裏稼業とする宝石屋の店主に、そして自らの罪を誤魔化すために誘惑した若い警官に……あらゆる全てに対し演じ続けること。それがお伝(若杉嘉津子)の唯一の処世術であり、麗し過ぎさえもする彼女の顔は生きるための嘘を生み出すための哀しい武器だ。人に「顔」を見せることを「演じる」という武器と同義のものとして生きたひとりの女性が、どうしようもなく「演じる」ことを...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:12 AM

March 6, 2009

『チェンジリング』クリント・イーストウッド
結城秀勇

[ book , cinema ]

 トロリーバスが市民の足として行き来し、もはや一部の者の所有物に過ぎないとは言えない高い車高の自家用車がゆっくりと道を行き交う。その街は汚職に支配されている。新聞はそうした警察や政治家の見解を翌日の誌面に忠実に反映するが、その一方、放送が開始されてまだ10年と経たないラジオもまたマイノリティのためのメディアとして力を蓄えつつある。女性が仕事につくことはもはや当然のことと見なされ、そうした経済条件さ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:59 PM

March 4, 2009

『オーストラリア』バズ・ラーマン
高木佑介

[ cinema , sports ]

 「AUSTRALIA」というタイトル・ロゴが、地図に描かれたオーストラリア大陸の輪郭上に現れる。世界地図やgoogleアースを見れば明らかなように、オーストラリアはとにかく地理的にでかいわけだが、そのでかい大陸の地名をぶっきらぼうにそのままタイトルにしてしまっているこの映画の主題のひとつもまた、でかいこと、すわなち「壮大」であること、「広大」であることだと言えるだろう。第二次世界大戦と、白豪主義...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:03 AM

March 2, 2009

ラグビー日本選手権決勝 三洋対サントリー 24-16
梅本洋一

[ cinema , sports ]

 すごく忙しい土曜日だった。早朝、何と現地で金曜夜開催になったシックスネイションズのフランス対ウェールズを見て、ゴゴイチには、このゲーム。そして深夜には、スキーのノルディック世界選手権のラージヒル団体。もちろん、各ゲームの間には日常の細々したことを片づけているわけで……。  時系列で書こう。  ますフランス対ウェールズ。レ・ブルーの監督も、シックスネイションズは土曜日の午後3時キックオフというもの...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:15 AM

March 1, 2009

『黒人大統領誕生をサッチモで祝福する』平岡正明
田中竜輔

[ book , sports ]

 いったい最新の著作がどれなのかいつもわからなくなってしまう平岡正明氏だが、昨年11月に出版された最新刊である本書のことも今年に入って2月の終り頃にようやく知った。偶然この強烈なタイトルに惹かれて本を手にとって初めてそれが平岡正明の著作であることに気づいただけのことだが、「一九〇〇年、三遊亭園長が死に、ルイ・アームストロングが生まれた。したがってジャズは落語の生まれ変わりであります」、という100...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:17 AM

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