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February 24, 2010

『The Anchorage 投錨地』C.W.ウィンター&アンダース・エドストローム
結城秀勇

[ cinema, cinema]

 セルジュ・ダネーは、「目のための墓場」と題されたストローブとユイレの映画についての文章で、次のように述べている。「映画を、映像を、声を、投錨するということ、それは映画の不均質性を真剣に受けとめることである。また、そういった投錨、つまりひとつの映像にとって、他の場所ではなくそこでしか可能ではなかったという事実、それは単に言葉と声の問題だけではない。それはまた身体の問題でもある」(「カイエ・デュ・シ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:41 AM

ヴァンクーヴァー・オリンピック ジャンプ団体
梅本洋一

[ architecture, sports]

 黄金時代の日本ジャンプチームを率い、今日は解説者席に座る小野学はいったい何を考えたろう。バイツ、ユリアンティラと外国人ヘッドコーチを招聘しているが、好結果を残せない。今でも素晴らしい結果を残し続ける葛西の努力は賞賛に値するけれども、今なお、彼が代表でもっとも良い成績を残し続けることは、やはり強化がうまく行っていないということだ。結局出場機会はなかったが、岡部までもが代表に呼び戻されるということは...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:16 AM

February 22, 2010

『リミッツ・オブ・コントロール』ジム・ジャームッシュ
結城秀勇

[ cinema, music]

 吉祥寺バウスシアターで行われている「爆音ナイト傑作選2009」にて。  爆音上映ということで当然期待していたのは、BORISのサウンドトラックでもあるのだが、冒頭イザック・ド・バンコレとアレックス・デスカスとジャン=フランソワ・ステヴナンの3人の対話で、予期していなかった音の位相のありように気づく。アレックス・デスカスの言葉を英語に翻訳して反復するステヴナン。そこでセンターから聞こえてくる彼らの...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:57 AM

February 17, 2010

『抱擁のかけら』ペドロ・アルモドバル
梅本洋一

[ cinema]

 アルモドバルはもう完全に「巨匠」だ。彼の監督歴もすでに40年近く、そして年齢も還暦に達している。諦念と達観、そしてメランコリー。失った恋と眼差し、家族、そして職業としての映画。ほとんどアルフレッド・ヒッチコックのようなタッチで恋愛を描き、なんとかロッセリーニの『イタリア旅行』のような透明な単純さに到達しようとする倒錯的な欲望。ペドロ・アルモドバルのこのフィルムは、そうした混濁と透明の中間地帯を浮...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:27 PM

サッカー東アジア選手権
梅本洋一

[ book, sports]

 1勝1分1敗という成績もちょっと信じがたいが、実際にゲームを見ると、問題なのは、その内容であることが誰の目にも明らかだ。岡田武史の続投を問う声が大きくなっているのも当然だろう。  このチームではすべての起点にならざるを得ない遠藤にボールが渡っても、虚しく首を振るばかりだ。遠藤の後方に位置する稲本は、ボールを持っても、バックラインに戻す選択しかない。内田、長友の両翼はしっかりマークされている。空い...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:25 PM

February 15, 2010

『(500)日のサマー』マーク・ウェブ
結城秀勇

[ cinema]

 「彼女のキスで俺は生まれ、彼女が去って俺は死んだ。彼女が愛した数週間だけ、俺は生きた」。そんなセリフを『孤独な場所で』のハンフリー・ボガートは脚本の中に挿入したが、主人公トムにとっての500日間が意味するのもひとつの「生」のサイクルだろう。いや、「生」というほどハードボイルドなものではとてもないので、タイトルどおり、ひとつの季節を彼は通過する、というくらいにしておくのが適切か。渡辺進也はこの映画...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:08 PM

February 13, 2010

『まだ楽園』佐向大
結城秀勇

[ cinema]

 曖昧で矛盾したやりとりは、対話をどこへも導かないまま、その量を増加させていく。前進しているのにどこへも行かない、月並みだけれど見たことのない風景がどこまでも広がっていく。そうした世界を名付けるとすれば、その公開から4年を経たいまでも、やはり“まだ”楽園なのだと呼ぶほかない。  この映画を初めて見た2004年の初夏から、何度か繰り返しこの映画について書いてきた。この作品に捉えられた私たちを取り巻く...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:36 PM

February 1, 2010

『サロゲート』ジョナサン・モストウ
結城秀勇

[ book, cinema]

「ターミネーター」シリーズを3でキャメロンから引き継いだジョナサン・モストウ。日本では奇しくもキャメロン12年振りの劇場長編と同じタイミングで、モストウの新作『サロゲート』が公開されている。偶然にしては出来過ぎなほど、キャメロン『アバター』とモストウ『サロゲート』は比較対象としてうまい対になっている。  どちらの作品も、生身の人間が異なった外見の人工物に乗り込み、人工物の体験を生身のものとして感...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:37 PM