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June 24, 2010

『アイアンマン2』ジョン・ファヴロー
結城秀勇

[ cinema, cinema]

 テレンス・ハワードが降板した時点で、このシリーズ続編には正直あまり期待していなかった。スカーレット・ヨハンソンの起用が大々的に宣伝され、先日公開されていた『シャーロック・ホームズ』ではロバート・ダウニーJr.の演技がほとんどトニー・スタークに見え、完全にブロックバスター的な大作にシフトしたのだろうと思っていたのだ。前作のダウニー Jr.、グウィネス・パルトロウ、テレンス・ハワード、ジェフ・ブリッ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:41 PM

June 19, 2010

『アウトレイジ』北野武
結城秀勇

[ cinema, cinema]

 ビートたけしがいつもとちょっと違うな、と見ていて感じた。なんだかあまりこわくないのだ。『アキレスと亀』のような作品の彼と比べてさえ。しばらくしてその理由がわかった。普通にしゃべったり怒鳴ったりしてるからだ、と。彼に限らず、椎名桔平も北村総一朗も杉本哲太も三浦友和でさえもが、「ばかやろう」「なめんじゃねえ」とほとんど無内容な暴言(?)を吐き散らす。まるで掛け合いのように繰り返されるそのやりとりは、...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:01 AM

June 18, 2010

『夜光』桝井孝則
松井宏

[ cinema, cinema]

桝井孝則監督の2009年作品『夜光』。その51分のなかでは、ある風通しの良さ、というか解放感のようなものが本当に強く感じられる。そして見るたびごとに、この印象は増すばかりだ。その理由を考えてみた。そしてこう言ってみようと思った。つまり、まさしく「無垢」こそをこの作品が提示しようと試みているからだ、と。  けれど無垢とは何だろう。それは生まれつき与えられたお気楽なものでもないし、単純さや素朴さでもな...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:22 PM

June 15, 2010

『テト』後閑広
田中竜輔

[ architecture, cinema]

 このフィルムが私たちに明瞭に提示してくれる最初のことは、水に濡れたパラシュートはとても重い、というごく単純な事柄である。何らかの理由でパラシュートによる降下訓練に臨まされた国家諜報員見習「テト」が、沼地に足を取られつつ着水したその場所から陸地までそれを引き摺る冒頭のシークエンスから、私たちはその大きな布の重みを見てとることができる。そんなものを実際に引き摺った経験など誰にでもあるわけはないという...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:23 AM

June 12, 2010

『やくたたず』三宅唱
渡辺進也

[ cinema, cinema]

 ざらついたモノクロの画面の中、背後にうっすらと雪がとけ残るあぜ道を、学生服を着た3人の少年が歩いていく。言葉を交わすわけでもなく、並んで歩くわけでもなく、思い思いの表情で歩いていく。しかし、それまで3人に寄り添うようにあった画面は、少しずつ彼らを置いてけぼりするようにスピードを持って離れていく。彼らはそれに遅れをとるまいと早足で、そして全力で走り始めるが、画面は彼らを置いてけぼりにする。画面に追...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:57 AM

『やくたたず』三宅唱
松井宏

[ cinema, cinema]

 冬。北海道。卒業間近の高校生3人。ガンちゃん、タニくん、テツヲ。彼らは、先輩イタミが働く会社で研修めいたバイトをはじめる。先輩の他に社長と、その愛人だか妻だか、はたまだ何だかよくわからないような女性社員キョウコからなる、小さな会社。また社長には息子ジローちゃんがいるが、彼は刑事だ。  そんな三宅唱監督の処女長編『やくたたず』を見ると、何はともあれ役者たちの顔と振る舞いが、とても良いのだ。何を阿呆...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:34 AM

June 1, 2010

『_』group_inou
田中竜輔

[ music]

 タイトルの『_』は正確な表記ではない。ジャケットのデザインを見ればわかるように、その「棒」はどうやら地に突き刺さって斜めに傾いている。さながら「/(スラッシュ)」のようだが、しかしそうではない。これはあくまで『_(アンダーバー)』であるという。『_』とは彼らの名義である「group」と「inou」を繋ぐ、いわば自己言及的な記号である。しかしこの記号がそもそもどのような関係を示すものなのか(たとえ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:27 PM

『あの夏の子供たち』ミア・ハンセン=ラブ
梅本洋一

[ cinema, cinema]

 このフィルムの物語について記すと、インディーズ系の映画プロデューサーの自殺とそれ以後の家族の物語ということになる。ミア・ハンセン=ラブの長編第2作にあたるこのフィルムは、彼女の処女作のプロデューサーになるはずだったアンベール・バルサンが突然自死を選んだことから想起されたという。確かにアンベール・バルサンの自殺というのは大事件でもあったけれども、このフィルムに描かれているのは、今世紀の映画が背負わ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:02 AM