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March 30, 2013

『オデット』ジョアン・ペドロ・ロドリゲス

[ cinema , cinema ]

 『オデット』は、ペドロというひとりの同性愛者の男の死を契機に、彼の恋人であるルイという男、そして同じアパートの住人であっただけのつながりしか持たない、恋人と別れたばかりのオデットという女を出会わせる。ひとりの男の死を決定的な喪失として生きる男と、一方でその死を自らの妊娠願望を叶えるための新たな出会いとして利用する女。二重の身体という映画の原初的な欲望を原動力とするこのフィルムは、当然のことながら...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:31 AM

March 23, 2013

『あれから』篠崎誠
結城秀勇

[ cinema ]

かつて安井豊作が語ったという「黒沢清のカタカナタイトル問題」を、いろんな人経由で聞いた。本人からは聞いていないので正確にどういう問題提起だったのかはわからないのだが、それを聞かせてくれた人たちの意見を捨象すると、黒沢清の映画にはカタカナのタイトル、それもおそらく他の監督ならカタカナにしないような言葉のタイトルがあり、それらにはなんらかの共通性がある、ということだった。これに倣ってもし「○○の漢字...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:18 AM

March 17, 2013

東横線渋谷ターミナル駅
藤原徹平

[ architecture , cinema ]

3月16日から、副都心線と東横線が相互乗り入れし、東武東上線~副都心線~東横線~みなとみらい線が一つにつながった。これで気持ちよく泥酔すれば埼玉県・川越から東京を縦断して横浜・元町中華街まで寝過ごすことが可能になったわけだ。僕は1975年生だが記憶している限り、横浜駅はずっと昔から工事中で、つい先日駅ビルを見上げてみたら半分くらいなくなっていることに気が付いた。詳しい人に聞いてみれば全部解体して...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:08 AM

March 6, 2013

「建築映画 マテリアル・サスペンス」鈴木了二
隈元博樹

[ book ]

以前のことだったと思う。冨永昌敬の『シャーリーの転落人生』上映後に行われたアフタートークでのことだ。画面上のシャーリー(福津屋兼蔵)と妻の波子(笠木泉)が抱擁を交わす本編のラストシーンを、ゲストの鈴木了二はカメラが切り返されるごとにワンカットずつ再生して見せた。シークエンスはシャーリーの相棒である中内(杉山彦々)がふたりに絡まるようにしてその輪の中へと割りこみ、中内は切り返される画面に応じてカメラ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:55 AM