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April 23, 2013

『グッバイ・ファーストラブ』ミア・ハンセン=ラブ
中村修吾

[ cinema]

 ノースリーブのワンピースを着た女性が、麦わら帽子を被り、木の杖を手に持ち、木々の葉や草の美しい緑に囲まれた道を歩いている。傍らには誰もおらず、彼女はひとりで川へと向かっている。あたりの風景には、空から南仏の明るい陽光が降り注いでいる。  自転車での走行や街中での歩行や部屋の中での移動といった、フレームの中の空間を動く人物を捉えたショットが多いミア・ハンセン=ラブの『グッバイ・ファーストラブ』にお...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:03 AM

April 21, 2013

『コーヒーと恋愛』獅子文六
渡辺進也

[ book]

 ある日、欲しい文庫の新刊があって、本屋に立ち寄ったら、その本のちょうど横に、獅子文六の本が平積みされているのを見つけてしまう。  獅子文六の名前は、『特急にっぽん』、『自由学校』、『大番』など映画の原作者として親しみはあるが、これまで、ついぞ読もうなどとは思ったことなどなかったのに、そのタイトルに惹かれて読み始めてしまうと、もうそのシャレた軽さに、イチコロになってしまったのである。   『可否...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:01 AM

April 15, 2013

『小さな仕立屋』ルイ・ガレル
結城秀勇

[ cinema]

この映画の、コントラストの強い白黒で映し出されたパリとそこにいる男女の姿に、父フィリップの影響を見るのはたやすい。テイラーとしての師匠である、二世代は離れた老人と向き合う主人公アルチュールの顔に、『恋人たちの失われた革命』で故モーリス・ガレルとテーブルを挟んで対峙していたルイの面影が重なる。しかしこの作品全体からより強く感じるのは、高名な映画監督を父に持った青年が先天的に継承した演出の遺伝子とい...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:41 PM

ALC CINEMA vol.2 『PASSION』濱口竜介
増田景子

[ cinema]

ALC CINEMAが催されたのは、建築・アート関係の書物が天井近くまで並べられた横浜吉田町のArchiship Library&Caféで、木枠できちんとゾーニングされているため圧迫感はないが、40人座ればいっぱいになってしまう小さなスペースである。2階が建築事務所でもあるこの場所で「映画」「場所の記憶」「そして、これから」を再考しようというALC CINEMAが第2回目の作品として選んだのは濱...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:40 PM

April 11, 2013

『ホーリー・モーターズ』レオス・カラックス
増田景子

[ cinema, sports]

かつて見た映画がある時、自分の日常にすっと寄り添ってくることがある。 初めてリアルタイムで見られるレオス・カラックスの新作、そして監督の来日とお祭り騒ぎの熱狂のなか、午前中に日仏(現アンスティチュ・フランセ東京)で行われた廣瀬純さんの映画講義(スペシャルゲストにカラックス!)を受け、そこから渋谷に移動してユーロスペースでの日本初上映を立見席で見たのは、まだ息の白かった1月末だった。 その時は霊柩車...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:50 PM