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October 20, 2014

女優・中川安奈のこと
佐藤央

[ cinema]

 2014年10月18日。二日酔いの朝に中川安奈さん逝去の知らせを聞く。今から6年前、それは2008年8月17日だったと思う、『シャーリーの好色人生』というとても小さな映画を撮影していた酷暑の水戸で、はじめて安奈さんにカメラを向けた時の驚きを今もはっきりと覚えています。いや、正確にははじめてカメラを向ける前、日本家屋の玄関口で出勤する夫(小田豊)を見送る場面での何でもないセリフのトーンについて、た...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:34 AM

October 16, 2014

『やさしい人』ギヨーム・ブラック
田中竜輔

[ cinema]

 ギヨーム・ブラックが『女っ気なし』に続けてヴァンサン・マケーニュとのタッグで手掛けた長編『やさしい人』にまずもって惹きつけられるのは、やはり前作と同じく試みられる16ミリでの撮影だ。水彩の絵の具が混ざり合ったような、さまざまな事物の「あいだ」の質感。どこからどこまでが人物でどこからどこまでが背景なのか、あるいはどこからどこまでが「私」でどこからどこまでが「あなた」なのか。何かと何かを区分するパキ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:40 PM

October 10, 2014

『ジェラシー』フィリップ・ガレル
奥平詩野

[ cinema]

 恐らく嫉妬という感情について描いたのだろうと思って見始めていると、クローディア(アナ・ムグラリス)の嫉妬心に捕らえられて窮屈そうなぎこちない笑みがやたら印象に残るシーンが続く。彼女がルイ(ルイ・ガレル)と居ることで彼に依存的になってしまう不安と危機感、満たされ得ずに増幅していく具体的に言葉には出来ない欲求に雁字搦めになって神経が過敏になって行く様子はリアルであって痛ましい。しかしこの映画は一組の...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:47 PM

October 9, 2014

『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』サイモン・ブルック
三浦 翔

[ cinema]

この映画はある重要な問いを含んでいる。というのは、伝説と言われる演劇人ピーター・ブルックの舞台制作メソッドが明らかにされるからではない。ピーター・ブルックが問題にするリアリティとは、如何にして生きた舞台を作り上げるかという単純なことだ。この映画では特に、役者の振る舞いが問題になる。それを映像化するということは、如何にして映像に力を与えるかという単純かつ重要な問いになっていく。 映画はピーター・ブル...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:39 AM

October 6, 2014

『ファーナス 訣別の朝』スコット・クーパー
高木佑介

[ cinema]

『クレイジー・ハート』(2009)に続く、スコット・クーパー2本目の監督作。アメリカの片田舎の製鉄所で働く兄をクリスチャン・ベイルが、その廃れた町から逃れ出るようにイラク戦争に行く弟をケイシー・アフレックが演じている。安い賃金ながらもまっとうな仕事は祖父や父親たちの代から続くその製鉄所くらいなもので、あとは兵隊になるか博打で稼ぐか悪党になるしかないというようなスモールタウンの閉塞感がこのふたりの兄...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:21 PM

October 1, 2014

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ジェームズ・ガン
常川拓也

[ cinema]

赤い革ジャンを着て、フェイス・マスクを装着しジェット・ブーツで悠々と空を舞う、そんな『ロケッティア』を想起させるフォルムを持ったピーター・クイル(クリス・プラット)は30過ぎではあるけれど、子どもである。そもそも誰もそう呼ばないのに自らを「スター・ロード(星の支配者)」と名乗るなんて、ただの中学生男子じゃないか? 彼が子どもであることを象徴するアイテムは、死んだ母からもらったカセットテープ「Awe...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:34 PM