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November 29, 2018

『30年後の同窓会』リチャード・リンクレイター

[ cinema]

 見逃していたのを、ギンレイホールにて。  ラリー(スティーヴ・カレル)が、30年ぶりにベトナム時代の戦友ふたりに会いにいくのは、海兵隊であった彼の息子がバグダッドで殺されたからであり、死体の引き取りの付き添いを長年会っていなかった戦友に依頼するのは、彼らがかつてベトナムで死んだもうひとりの戦友という過去の罪を共有するからである。しかし、この映画が、どこまでも先送りにされていく旅の目的と、どこまで...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:38 PM

November 28, 2018

『象は静かに座っている』フー・ボー@第19回東京フィルメックス

[ cinema]

 若者の閉じた孤独な世界を被写界深度の浅い映像として表現することには、どれだけの可能性があるのか。『象は静かに眠っている』は、そのような問題提起的な作品だったろう。物語は、自分をバカにした番長的なクラスメイトを突き落としたことで逃亡するブーや、学校の先生と恋愛関係になったことがSNSで拡散されたリンなど、ひとつの街で生きる4・5の主となる人物の人生が少しずつ重なりながら展開して行く。ある種の群像劇...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:06 AM

November 22, 2018

『幻土』ヨー・シュウホァ

[ cinema]

 半世紀前から今も続く土地の造成によって、その国土を拡げてきたシンガポール。目の前の埋め立て現場を眺めながら、「きっと30年後もこの光景は変わらないだろう」と刑事のロク(ピーター・ユウ)が相棒の刑事へささやくように、この東南アジアの島国は再開発を背景とした都市の変容が宿命とされ、彼らの営みは、絶えず定まることのない地盤とともにある。加えて造成に必要な土砂たちは、マレーシアをはじめ、カンボジアやベト...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:37 PM

November 21, 2018

『体操しようよ』菊地健雄

[ cinema]

 レトロだけれどカラフルな調度に囲まれた、ガラス張りの温室が表に張りだすどこかモダンな一軒家。そこから海の見える坂道を下り、毎朝片桐はいりが掃除をしている神社がある三叉路を通り過ぎて行けば、駅に出る。おそらく駅の反対側に海があり、それを見渡す岬の突端に公園があり、海と山との途中のどこかに商店街があり、三叉路をいつもと違う方向に曲がれば、のぞみ(和久井映見)の営む喫茶店がある。映画を見ているとなんと...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:25 AM

November 11, 2018

『アマンダ(原題)』ミカエル・アース

[ cinema]

 冒頭の小学校を捉えたシーケンスから、このフィルムの質感を最後まで見続けていたくなる。それは建造物自体への特別な興味や美しさを見出したわけではなく、展開されるカット割りや編集のリズムに心地良さを感じたわけでもない。もちろんそれは、『アマンダ』がスーパー16のフィルムで撮られたことの恩恵でもあるのだが、最もその衝動に駆られたのは、撮影時のロケーションに注がれた柔らかい自然光が、淡く漂う粒子のざらつき...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:46 AM

November 10, 2018

『体操しようよ』菊地健雄(監督)和田清人(脚本)インタビュー

[ interview]

(c)2018『体操しようよ』製作委員会60歳のシングルファーザー佐野道太郎(草刈正雄)が定年退職した日、娘の弓子(木村文乃)から、手紙をもらう。しかし、その内容は、今後は自分で家事をするようにというものだった。初めての家事、そしてラジオ体操を通してそれまで関わることのなかった地域と交流を持つことで、道太郎は新しい人生を見つけていく。 定年後の生活という、父親世代の物語を映画化するのにどのようなや...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:12 AM

November 5, 2018

『ひかりの歌』杉田協士

[ cinema]

 ランニングとは、全力ではないが息が上がるくらいのスピードで長い間走り続ける運動のことである。杉田協士の『ひかりの歌』をまなざす経験は、ランニングのように決して速くはない運動の持続に153分という時間をかけて徐々に魅了されていくことではないか。  4首の短歌を原作にした4つの短編には、それぞれに特別な決定的ショットというものがあるというよりも、むしろどのショットに映る時間もそれぞれが特別な時間であ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:59 PM

November 4, 2018

『月の砂漠』青山真治

[ cinema]

Could I ever find in you again The things that made me love you so much then Could we ever bring 'em back once they have gone Oh, Caroline no  「Caroline No」の調べとともに、東京の夜の街、20世紀末に起こった様々な出来事、そしてホームビデオの...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:00 PM