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February 28, 2022

『宝島』ギヨーム・ブラック監督インタビュー

[ cinema , interview ]

やさしくて幸せな場所を描きたかったのです フランスはもとより、世界中で高く評価されているギヨーム・ブラック監督の『宝島』が、動画配信サービス「JAIHO」にて配信される。この作品はブラック監督3本目の長編作品であり、パリ郊外のレジャー施設が舞台となっている。ヴァカンスを楽しむ人々やそこで働く人々の何気ないやりとりや会話がのびのびと映し出され、老若男女問わずさまざまな人たちが集まるその空間で、思い思...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:56 PM

February 23, 2022

『仕事と日(塩谷の谷間で)』C.W.ウィンター&アンダース・エドストローム

[ cinema ]

 『仕事と日(塩谷の谷間で)』はフィクションであると、監督自身があえて宣言し、観客もそれに続くことは、フィクションとドキュメンタリーに関するさみしい議論を繰り返させはしない。さらには、そのような区分の境界を露呈させながら、偶発的にやって来るものとあらかじめ準備されたもの、演じられる「現在」とたしかにそこにあった「記憶」―相反するかに見えるさまざまな事柄が一枚岩となって形づくる場所こそ映画である、映...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:17 PM

February 19, 2022

『ウエスト・サイド・ストーリー』スティーヴン・スピルバーグ

[ cinema ]

 ロバート・ワイズ版において、リチャード・ベイマーが演じたトニーは、不良集団で過ごした日々を過去のものにしながらも、怖いくらいに精力的で、露出した肌はテカテカに汗ばんでおり、これから起こる何かをナイーブなまでに期待していた。一方で、アンセル・エルゴード演じるトニーはどこか乾いていて、登場シーンでは総じてメランコリックな表情を浮かべている。「おまえはウエストサイドの伝説だったんだぜ」と兄弟分のリフは...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:45 PM

February 15, 2022

『三度目の、正直』野原位

[ cinema ]

©2021 NEOPA Inc.  いったい、「わが子」というのはどこからやってくるのだろうか。母胎から? いや、コウノトリが運んでくる?『三度目の、正直』においては、電車によって母と子が引き合わされる。子どもを産むことができなかった春は、元夫から授かり婚の報を受けたあと、電車の窓から 「里親募集」の文字を見つける。次のシーンでは、相談所で里親について話を聞いている春の姿がある。パートナーで...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:35 AM

February 8, 2022

『クライ・マッチョ』クリント・イーストウッド

[ cinema ]

 盛りを過ぎた老人がひょんなことから血の繋がらないヒスパニック系の少年の護送を託され、ボロボロの車で追っ手から逃げ切り、少年を肉親のもとに送り届けるーー。  新年早々、都内ではよく似たプロットを持つ2本のアメリカ映画が立て続けに封切られた。先陣を切ったのは、イーストウッド作品で長らく助監督、プロデューサーを務めた経験を持つ、ロバート・ロレンツの長編第2作目『マークスマン』(主演はリーアム・ニーソン...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:04 PM

February 1, 2022

『三度目の、正直』野原位×川村りらインタビュー

[ cinema , interview ]

映画がこの時代をえがくために必要なことを探して 野原位による長編デビュー作『三度目の、正直』は全編を通して驚きに満ちている。この登場人物はこういう人なのかと思ったら、次の瞬間にはその人がまったく別の人物に見えるほど印象が変わっていたり、最後まで謎に包まれた人物がいたり、毎シーン新しく映画と出会い直せるようだ。そうした魅力はどのようにして生まれたのか。制作過程、登場人物の造形や彼/彼女らにセリフを言...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:15 AM