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August 22, 2025

『わたのはらぞこ』加藤紗希

[ cinema ]

 『わたのはらぞこ』とは、「わたのはら」(海原)と「わたのそこ」(海の底)の造語「海原の底」のことである。そもそも本作の舞台である長野県上田市は、2019年に市内を流れる浦野川でクジラの全身化石が発見されたことから、この地はかつて大きな海だったそうだ。その後、地層の堆積を経た上田は、いまもなお真田氏が栄華を築いた城下町として、あるいは神社仏閣、伝統工芸、温泉地などといった観光資源の豊富な地として知...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:27 PM

August 12, 2025

『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』大九明子

[ cinema ]

 キャンパスを見下ろせる建物の屋上の地面に寝転がりくつろぐ小西(萩原利久)と友人の山根(黒崎煌代)にとって、その場所は建物下の芝生広場で横になる勇気がない自分たちの特等席らしく、芝生広場が人工芝なのに対してこちらは天然だから価値が高いと冗談交じりに話す。つづいて山根が植木の桜を見上げ、枝がか細いと言えば、小西は屋上だから根が張りにくいのではと答え、さらに山根はそれはいつまでも若いってことやねと返す...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:02 PM

August 8, 2025

『よみがえる声』朴壽南、朴麻衣

[ cinema ]

 太平洋戦争における日本の敗戦から今年で80年を迎えようとしている。今の日本を見渡してみると、外国人排斥が叫ばれ、核武装の声が高まり、徴兵制の導入を公然と語る人々が現れ、新たな戦前のようにも感じられる。また、日本で終戦記念日とされる8月15日は、朝鮮の日本統治からの解放を意味し、韓国では「光復節」として大切にされている日でもある。しかし、現代の日本では植民地支配の歴史をなかったように語る人が増え、...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:39 PM

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