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November 28, 2011

『ニーチェの馬』タル・ベーラ
増田景子

[ cinema]

 10分ほどだっただろうか。数分遅れて入り着席して数秒後には、荷車を引く馬が走る様だけをただただ見ていた。  きっと白か灰色で、お世辞にもきれいとは言えない毛並みの痩せ馬なので、そのものに目を奪われたというよりも、馬が全身の筋肉を使って行っている運動に目を奪われたということなのだろう。だからといって、馬が変わった動きをするわけではない。馬は鼻息荒く、課された任務、つまり荷車を引っ張るために淡々と走...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:59 PM

November 24, 2011

関東大学ラグビー対抗戦 早稲田対慶應 54-24
梅本洋一

[ cinema, sports]

 点差はもちろんトライ数でも早稲田9トライ、慶應3トライで早稲田の快勝。少人数でラックから速くボールを出し、一気に攻めるという早稲田の戦術が見事にはまった。ブレイク・ダウンでの慶應の劣勢と慶應のディフェンスに「魂のタックル」が見られなかったことが原因。早稲田のアタックは、ウィングの外側に山下や金が立っているという往年のレ・ブルーのマーニュ、ベッツェンの時代を彷彿とさせた。  スペースと間合いを作る...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:57 AM

November 23, 2011

『独り者の山』ユー・グァンイー
高木佑介

[ cinema, cinema]

 いや、数時間前に見た本作に対する興奮がまったく冷めやらぬままにこの文章を書き始めたものの、絶対にこの言葉だけは書くまいとさっきまで固く心に誓っていた常套句を、ここで早くもあっさりと吐きだしてさっさと楽になってしまいたいと思う。やはりこの監督は、ほかの誰よりも「映画」から祝福を受けている作家だ、と。なんだ、そんなことなら3年ほど前のフィルメックスで上映された『サバイバル・ソング』を見たときから知っ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:04 AM

November 22, 2011

『フライング・フィッシュ』サンジーワ・プシュパクマーラ
高木佑介

[ cinema, cinema]

 東京フィルメックス・コンペ部門の一本。開映前に「小津安二郎に捧げます」という監督からの言葉がアナウンスされたこの作品は、スリランカにおけるシンハラ人(政府軍)とタミル人(反政府軍)の内戦を背景に描かれた若手映画監督のデビュー作である。冒頭に映し出される、夕陽が沈んでいくスリランカの海辺をとらえた一連の画の美しさには目を見張るものがあったが、まるで鬱屈した時勢に対する感情を吐き出すかのように、途中...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:05 AM

『カウントダウン』ホ・ジョンホ
高木佑介

[ cinema, cinema]

 本年度の東京フィルメックス・コンペ部門の一本。余命3カ月の肝臓ガンと宣告された、借金の「取り立て屋」を生業とする男が主人公で、彼の死んだ息子の心臓を移植されたことのある女から肝臓を移植してもらうために奮闘するというのがこの物語の主な筋。つまり自分が生きるために肝臓を取り立てに行く、ということである。こう書くと至極シンプルなお話のように思えるのだが、実際に映画を見ていると物語の「錯綜ぶり」に驚く。...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:42 AM

November 18, 2011

『猫、聖職者、奴隷』アラン・ドゥラ・ネグラ+木下香
田中竜輔

[ cinema, cinema]

 『猫、聖職者、奴隷』は「セカンドライフ」なるものの、その魅力やら中毒性やらを理解することの手助けになるような作品では一切ない。「なぜ人々はセカンドライフに熱中するのか」などといったことを心理学的に解きほぐすような手つきもほとんどゼロだと言っていい。彼らはすでに「セカンドライフ」を生きている。これは前提であり、探求の目的ではない。では、このフィルムは何を映し出そうとしているのか。仏映画レーベルカプ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:57 PM

『べガス』アミール・ナデリ
増田景子

[ architecture, cinema]

 新しい映画監督との出会いほどワクワクすることはないし、その出会えたばかりの監督の最新作の公開が近日中に控えているなんていう状況は、2011年現在の映画状況からしてみれば希有な幸福で、興奮をよぶ興奮、その歓喜をさけばずにはいられないのである。ともかく、アミール・ナデリとの出会いは衝撃であった。  恥ずかしながら私は『CUT』の監督名を見るまで、東京国際映画祭の常連で、今年の第12回東京フィルメック...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:11 PM

November 17, 2011

『サウダーヂ』富田克也
増田景子

[ cinema, cinema]

いま巷の映画ファンで一番の話題作はまちがいなく空族の『サウダーヂ』だろう。あらかたの映画雑誌、新聞各社、テレビやラジオ番組で取り上げられ、多くの人がこの映画に関して発言を残している。そのせいもあってか、ミニシアターの不況が嘆かれているにもかかわらず、唯一の上映館であるユーロスペースには『サウダーヂ』を見ようと連日大勢の人が押しかけている。 でも、一体『サウダーヂ』のなにがすごいのか。自分たちで資金...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:00 PM