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May 27, 2019

第72回カンヌ国際映画祭レポート(6) 閉幕に寄せて

[ cinema]

 第72回カンヌ国際映画祭が5月25日に閉幕した。若手監督が多くノミネートした昨年に比べるとやや保守的、映画史を揺るがすような力強い作品に欠けたセレクションではあったものの、受賞結果について述べるのなら、そこにはこの映画祭にとって革新的とも言える面持ちが並んだ。審査委員長のアレハンドロ・ゴンサレス・イリニャイトゥは審査について、政治的なメッセージは一切関係なく、純粋に映画としていかに評価できるかが...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:25 PM

May 26, 2019

第72回カンヌ国際映画祭レポート(5) 四人の女性監督たち

[ cinema]

  昨年(2018年)のカンヌ映画祭では、は映画産業での男女機会均等を求め、審査委員長ケイト・ブランシェットを含む82人の女性(この数字は、カンヌ映画祭誕生から昨年までにノミネートした女性監督の数に由来する、対して男性監督の数は1688人)がレッドカーペットを歩くという象徴的なイベントが開催された。今年もまたフランス女性監督の草分け的な存在であり、ジェーン・カンピオンとともに女性監督として唯一パル...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:09 PM

May 22, 2019

第72回カンヌ国際映画祭レポート(4) あるものはあるーー『Fire will come』オリヴィエ・ラックス(「ある視点」部門)

[ cinema]

 映画祭という場では、映画の有する社会的な役割があたかも「同時代の特徴を映す」ことだけ、あるいは「社会の陰部を告発する」ことだけであるかのような作品が溢れてかえっており、そのことはこのカンヌも例外を免れてはいない。しかしそのような傾向において、先立って紹介した『Liberté』(アルベルト・セラ)と並び、『Fire will come』(オリヴィエ・ラックス)はそれに真っ向から抵抗した作品のひとつ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:39 PM

May 21, 2019

第72回カンヌ国際映画祭レポート(3) 『Liberté』アルベール・セラ

[ cinema]

『Liberté』アルベール・セラ  今年の「ある視点」部門でのセレクションを見わたしてみると、昨年から引き続き、新人監督の処女作、もしくは第2作目が全体のほぼ半数を占めており、併行部門となる「批評家週間」と同様に若手発掘が主たる目的となるような趣である。しかしながら一方で同部門では、観客を挑発し映画の枠組みを揺るがすような先鋭的、実験的な作品は忌避される傾向にもある。そんななか、本年のセレクシ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:42 PM

May 17, 2019

第72回カンヌ国際映画祭レポート(2) 『Les Misérables』ラジュ・リ

[ cinema]

 今年のコンペティションには、アフリカにルーツをもつ監督による2作品、ラジュ・リ『Les Misérables』とマティ・デイオップ『Atlantique』がノミネートした。両作品とも長編以前に同タイトルの短編を制作しているという共通点はあるが、両者の映画に対するアプローチはまったく異なっている。  ラジュ・リィは、アフリカのマリに生まれ、両親とともに幼い頃にフランスに移住し、初長編から彼の作品の...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:02 PM

May 16, 2019

第72回カンヌ国際映画祭レポート(1) 開幕

[ cinema]

   第72回カンヌ国際映画祭が5月14日に開幕した。若手監督を中心に大きく刷新された昨年のセレクションと比較すると、今年のそれはいささか反動的といえる。開幕上映作品であるジム・ジャームッシュ監督『The Dead don't Die』を筆頭に、ほとんど機械的にコンペティション入りを果たしたかのようなダルデンヌ兄弟(『Young Ahmed』)、ケン・ローチ(『Sorry We Missed ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:06 PM

May 14, 2019

『救いの接吻』フィリップ・ガレル

[ cinema]

 愛について語り合い苦悩する男女。愛とは、人生とは、物語とは......。フィリップ・ガレルの映画では、そんな会話をとめどなく続ける人々の姿がこれまで何度も描かれてきた。『救いの接吻』でも、映画監督の夫が、女優である妻をモデルにした役を他の女優に演じさせようとしたことから、ふたりの愛は終わりの危機を迎え、彼らは苦悩し、愛や人生、物語についての対話が繰り返される。ここで映画監督の夫を演じているのはフ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:54 PM

May 5, 2019

『嵐電』鈴木卓爾

[ cinema]

 嵐山本線(四条大宮駅−嵐山駅)と、北野線(北野白梅駅−帷子ノ辻駅)からなる「嵐電」(らんでん)こと京福電気鉄道は、京都市内を運行する路面電車のことである。「モボ」と呼ばれる車形に京紫やブラウン、また時として江ノ電カラーに彩られた小ぶりな車輌は、当然ながら地元の人々をはじめ観光客の交通網として京都の市内をひた走るのだが、いっぽうで本作に登場する嵐電は、人々の日常の一部を蠢くひとつの物体のようにも見...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:17 PM

『ドント・ウォーリー』ガス・ヴァン・サント

[ cinema]

 アメリカ映画で「禁酒会」の描写としてよく見かけるAA(アルコホーリクス・アノニマス)という団体には、「12のステップ」という方法論があるということが本作でも触れられている。己の無力さを認める、という段階からはじまる12のそれは、ステップという言葉通り、順を追ってひとつづつ到達しなければならない状態である。ひとつひとつの段階の難易度の上昇度は一定ではない(というか、それとそれ、ほとんど一緒じゃん、...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:18 PM

May 1, 2019

フランス・キュルチュール「ラ・グランド・ターブル」2019年 4/15(月)放送
ジャン=リュック・ゴダール インタヴュー 第一部

[ cinema]

 日本では(幸運にも!)4/20(土)に劇場公開されたジャン=リュック・ゴダールの最新作『イメージの本』、フランスでは、昨年のカンヌ国際映画祭で上映されたほかは、今のところテレビ局アルテで放映されるのみである。その放映日の4日前、2019年4/15(月)、公共ラジオ放送局フランス・キュルチュール(https://www.franceculture.fr/)の文化番組「ラ・グランド・ターブル」にてジ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:15 PM