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March 16, 2004

ドラマ・リーディング 『家』作:ニコラ・マッカートニー 演出:三浦基

[ photo, theater, etc... , sports ]

世田谷パブリックシアターではここ数年ドラマ・リーディングがたびたび行われている。後に舞台化されるためのプロセスとしてのそれもあるが、今回はドラマ・リーディングのためだけに、海外の劇団と協力してその国の作家を招いている。『家』の作家ニコラ・マッカートニーは、スコットランドのトラヴァース・シアターとの協力のもと、世田谷に招かれた。彼女はかつて自分の劇団を主宰し演出もしていたとのこと。 青年団所属で、か...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:30 AM

『あやめ 鰈 ひかがみ』松浦寿輝

[ book , photo, theater, etc... ]

本書には「あやめ」と「鰈」と「ひかがみ」という3つの短編が収められている。それぞれのタイトルを並べただけのそっけないタイトル。短編集をつくるときにそこに収められる短編のタイトルのどれかひとつを選びとって一冊の本のタイトルとするのでもなく、またそれらをまとめあげるかたちで新しく考えだされたタイトルがつけられるでもない。そうしたタイトルのつけかたそれ自体がすでに本書の性質を如実に表しているかのようだ。...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:28 AM

March 15, 2004

『ドッグヴィル』ラース・フォン・トリアー

[ book , cinema ]

真っ白な雪が道路を覆う。そこに一本の線が引かれる。集会所からグレースの家まで引かれた一歩の線。それは、彼女の首に取り付けられた錘の引きずった跡である。彼女につけられた錘や鐘は、大きな音を立て彼女の居場所を村の人々に知らせるためにある。伝道所の大きな鐘が彼女に時間や彼女の危機を知らせるように、彼女の首につけられた小さな鐘は、彼女がどこにいて何をしているのかを村の人々に知らしめる。 月明かりが村の人々...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:27 AM

March 13, 2004

『血』ペドロ・コスタ

[ cinema , cinema ]

レオス・カラックスと同年代のペドロ・コスタは1989年に『血』を作る。処女長篇作だ。『汚れた血』や『ボーイ・ミーツ・ガール』が日本に紹介され、いったいどれほどの熱狂とともに迎えられたか、そんなことを想像しながら昨今のペドロ・コスタを巡る日本の状況を考えてみるのもひとつの手かもしれないが、しかしいまやそんな暇も猶予もどうやら無さそうな気がする。 だがやはり『アルファヴィル』のような近未来的風景とノワ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:25 AM

『生まれる森』島本理生

[ book , cinema ]

島本理生は変わらない。彼女の新作『生まれる森』を読んで思ったのは、前作『リトル・バイ・リトル』から彼女にはなんの変化も訪れなかったということだ。 仲俣暁生が指摘するように、島本理生の前作『リトル・バイ・リトル』は「ふつうの他人との関係」を志向していた。愛情や友情のドラマというような愛憎が入り乱れて感情と感情がぶつかり合うというより、登場人物がただ単に人と出会い、接するさまが描写されていた。島本の文...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:24 AM

『簡単な生活』松尾清貴

[ book , book ]

初めて耳にする作家だ。おそらくこの作品がデビュー作であり、巻末の略歴からすると著者は27歳だろうか。その27歳の新人が1923年の初秋、あの歴史的大災害が起こったときの東京を舞台に書いた小説が「簡単な生活」である。 <簡単な生活>とは何か、そしてその舞台としてなぜ当時の東京が選ばれたのか。この作品に対してまず問われるべきはそんなところだろうか。恐らくこの作家(小説)はそういった問いに対して明解な答...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:23 AM

March 11, 2004

『ビッグ・フィッシュ』ティム・バートン

[ book , cinema ]

その過去が嘘と伝説にまみれた父とそれを信じることができない息子との和解。そんな物語を持つこのティム・バートンの新作は、しかしながら実生活において父を亡くし、息子を授かったバートンの成熟という言葉だけで片付けられるような単なるファンタジー風味の家族再生の物語ではない。 ビリー・クラダップ演じるウィリアム・ブルームは、目の前で病に伏せている父エドワード・ブルーム(アルバート・フィニー)を許せないのでは...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:21 AM

March 10, 2004

オリンピック予選UAEラウンド

[ cinema , sports ]

多くの人々が涙ぐむ山本昌邦に涙腺がゆるんだにちがいない。この世代の選手たちは確かに成長していく。コーチは目標を定め、それに従って問題点を洗い直し、評価するものだ。だが1日おきに3ゲームという信じがたい日程にあって、目標──単に全勝することだ──も評価もへったくれもない。とにかく山本昌邦自身が初戦のバーレーン戦(引き分けに終わった)後に語ったように、トーナメントのように戦うしかない。まず負けないこと...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:19 AM

March 4, 2004

佐々木明、ガンバ!

[ sports , sports ]

週末の夜、新宿駅や上野駅にはスキー板を抱えた若者たちが列をなして、スキー場へ向かう夜行列車を待っていたのはもう30年以上も前のことか。スキー・ブームが去って、どこのスキー場でも日曜日にもリフト待ちがほとんどないと言う。トニー・ザイラー(もう誰も知らないか?)や加山雄三のスキー映画なんてもう見る人もいないだろう。僕ら年寄りは、そうした映画を見て、サンアントンやツェルマットという地名を覚えたものだ。ヨ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:18 AM

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