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December 31, 2008

『アンダーカヴァー』ジェームズ・グレイ
梅本洋一

[ cinema , cinema ]

 ブルックリンにあるクラブ・カリブ、1988年。そこの支配人がロビー(ホアキン・フェニックス)。彼は兄ジョー(マーク・ウォールバーグ)の昇進パーティーに恋人(エヴァ・メンデス)と出かけるところだ。兄は父(ロバート・デュヴァル)と共にニューヨーク警察に勤務している。法の抜け穴そのもののように白い粉が取引されるクラブ、そこを取り締まる警察。兄弟という血縁の強い絆は、法の内側と外側という境界線でもある。...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:58 AM

December 25, 2008

セスク・ファブレガスの負傷
梅本洋一

[ cinema , sports ]

 リヴァプール戦の前半終了間際、シャビ・アロンソとの攻防でセスクが倒れる。びっこを引きながら退場し、彼の代わりに後半開始から現れたのはディアビだった。重くなければいいが、と思うのは、アーセナル・ファンなら当然のことだろう。ギャラスに代わってキャプテン・マークを巻き、若いガンナーズの象徴であるこの選手を失えば、このチームの輝きの約半分はなくあってしまう。ちょっと行き詰まっていたので、この交代が吉と出...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:02 AM

December 22, 2008

ラグビー大学選手権1回戦
早稲田対関東学院 21-5 帝京対慶應 23-17
梅本洋一

[ cinema , sports ]

 抽選で1回戦の組み合わせが決まったため、決勝になってもおかしくない2ゲームが1回戦で行われた。このことについては、すでに多くの批判が語られているので繰り返さない。関東地区についても、上記の2ゲームが同時刻に行われた。熊谷と秩父宮のキャパを考えても、興業という側面から見ても、またぼくのようにスカパー!で見る人々にとっても、暴挙以外のなにものでもない。スポーツはそれをやる人のためにあるのと同時に、そ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:26 AM

December 18, 2008

『1408号室』ミカエル・ハフストローム
結城秀勇

[ cinema , sports ]

 いわずとしれたモダンホラーの王様スティーヴン・キングだが、実は彼の作品の映画化で、映像として具現化されたギミックやクリーチャーのかたち自体が恐ろしいという例は余りないんじゃないだろうか。膨大な映画化作品の中でたいした本数は見ていないけれどぱっと思いつく90年代以降のものは、『マングラー』のプレス機にしろ、『ドリームキャッチャー』の怪物にしろ、キモカワイイ系が多い気がする(キングの音楽の趣味のせい...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:43 PM

December 16, 2008

『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』ジョージ・A・ロメロ
結城秀勇

[ cinema , music ]

 この映画を見て、巷ではそれなりに評判の高い『クローバーフィールド/HAKAISHA』(マット・リーヴス)を、なぜちっとも面白いと思えないのかがよくわかった。冒頭(というか作品全体の構造)の形式の差異はひとまず脇に置いておくとすると、『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』の序盤におけるカメラを持つ男の視点と、『クローバーフィールド』の終盤までのカメラを持つ男の視線は、確かによく似ていると思う。でもここで...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:24 AM

December 12, 2008

『チェンジリング』クリント・イーストウッド
梅本洋一

[ architecture , cinema ]

 この壮大な作品についていったい何を書き記せばいいのだろう。いま、こうした作品を演出できるのはクリントしかいないだろう、と考えたこのフィルムのプロデューサーであるロン・ハワードの直感は正しい。自らの企画──それは次作の『グラン・トリノ』を待とう(You tubeでトレーラーが流れている)──ではなく、頼まれた企画の監督を請け負ったクリントの底知れぬ力には溜息が出るだけだ。映画とは何なのか、という途...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:48 PM

December 8, 2008

『どこから行っても遠い町』川上弘美
梅本洋一

[ book , cinema ]

 同じひとつの商店街を行き交う人々とそこある店に集う人々が織りなす11篇の小説を集めた短編集。それだけ書けば、誰でもバルザックを思い出すだろう。BSの「週刊ブックレビュー」を見ていたら、川上弘美がゲスト出演していて、彼女もバルザックの名を口にしていた。  句点が文章の奇妙な位置にふられている彼女の文体と、それがもたらす効果は、この短編集でも同じだが、それについて考えはじめると深みにはまってしまいそ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:36 AM

08関東大学ラグビー対抗戦 早稲田対明治 22-24
梅本洋一

[ cinema , sports ]

 途中出場の田邊のコンヴァージョンが右のポストをたたいてノーサイドのホイッスル。入れば24-24 というゲームだった。多くの人々が語るとおり、明治の面子ならこの程度やれて当たり前だ。だが、本当に早稲田は弱い、これがぼくの実感。弱い上にナイーヴ。帝京に負け、良薬になったと思ったが、その敗戦はもう忘れられているようだ。明治の面子ならこの程度やれて当たり前なら、早稲田の面子なら、この程度ではどうしようも...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:01 AM

December 7, 2008

ホンダF1撤退
梅本洋一

[ cinema , sports ]

 かつて海老沢泰久の『F1地上の夢』と『F1走る魂』の2部作を読んでホンダとF1のただならぬ関係を知る者にとってホンダのF1からの撤退のニュースは本当に悲しい。本田宗一郎の不屈の魂でシャシからエンジンまで自社制作しF1に乗り込んでいく姿、そして中島悟が豪雨のオーストラリアGPで4位入賞したレースを目にした者にとって、ホンダは日産でもトヨタでもない。もちろん、BARホンダから始まった第3期の不甲斐な...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:57 PM

『日本語が亡びるとき—英語の世紀の中で』 水村美苗
山崎雄太

[ book , cinema ]

 十代前半で水村さんは家庭の事情によりニューヨークへと渡るも、英語に馴染むことが出来ず、家に閉じこもって日に焼けた『日本近代文学全集』を愛読していたそうだ。曰くしばしば「私は古びた朱色の背表紙を目に浮かべて心を奮い立たせた」(『私小説 from left to right』)。いっぽう、水村さんとほぼ同世代の僕の母もまた、同じように十代半ばに家庭の事情によりロスアンゼルスに渡るも、英語によく馴染み...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:12 PM

December 4, 2008

『秋深き』池田敏春
渡辺進也

[ cinema , cinema ]

  情報誌か何かを見ていたときに、佐藤江梨子が織田作之助原作の映画に主演するという記事があって、なんでいまごろオダサクをやるんだろうと読んでいたら、この映画の監督が池田敏春だと知った。 いま、池田敏春と聞いてどれだけの人がわかるのかは知らないけれど(実際、『秋深き』を池田敏春の最新作と銘打って宣伝している媒体はほとんどないはずだ)、日活ロマンポルノ末期にデビューしたこの監督は、ディレクター...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:42 AM

December 3, 2008

『クリスマス・ストーリー』アルノー・デプレシャン
梅本洋一

[ cinema , cinema ]

 この不思議な家族の話を要約するとかなりの文字数になるだろう。物語は単純ではない。ここでは、血縁、生と死、そして善と悪という根源的なことがらが物語のエンジンになっている。それらが複雑に絡み合って、血縁を抗いがたい求心力にした家族が提示されている。場所は、デプレシャンの他の映画同様、ルベーだ。そして、季節は、タイトルが示唆するように、クリスマス前からクリスマスにかけての数日間。散り散りになった家族は...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:59 AM

December 2, 2008

『日本語が亡びるとき──英語の世紀の中で』水村美苗
梅本洋一

[ book , cinema ]

 いまから10年以上も前のことになる。仕事で滞在していたパリのホテルでボーっとテレビを見ていたときのことだ。旧日本海軍についてのドキュメンタリーが放映されていた。もうよぼよぼになった旧日本海軍の将校たちのインタヴューが多く含まれていた。内容はすっかり忘れてしまったが、とても驚いたことがあった。そのお爺さんたちが全員、見事なフランス語で質問に答えていたことだ。戦前の人たちなんかは、「西欧文化」の輸入...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:28 PM

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