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November 21, 2025

『潜行一千里 ILHA FORMOSA』
富田克也、相澤虎之助インタビュー
「共和へのトランス」

[ cinema , interview ]

 空族が台湾で映画を撮るらしい、という噂を聞いて早数年、ついにその調査報告を目にする日がやってきた。『潜行一千里 ILHA FORMOSA』は、来年クランクイン予定の『蘭芳公司』の撮影準備のために、彼らが台湾各地の「原住民」(台湾では「先住民」ではなく「原住民」が正式な呼称として憲法で定められている)の部落を訪ねた記録である。そこには音楽があり踊りがあり、酒があり檳榔があり......、つまり部族...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:11 PM

November 18, 2025

《第38回東京国際映画祭》『死のキッチン』ペンエーグ・ラッタナルアーン

[ cinema ]

 望まぬ婚前交渉によってタイ地方のムスリム社会から追放され、一人都会に出てきた女性サオ(ベラ・ブンセーン)。勤め先のバンコクの高級レストランに、昔自分をレイプした男コーン(クリット・シープームセート)がやってくる。サオは自分のことを覚えていなかったコーンに近づき、復讐を企てる。その復讐とは、自らの手料理で彼を死に貶めることだった。コーンと同居するようになったサオは、料理教室に通って栄養学を習得し、...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:00 AM

November 13, 2025

映画について書く:現代作家たちへのインタビュー Écrire sur l'écran 第一回 夜から始まる物語――メイリス・ド・ケランガル氏へのインタビュー part3

[ book , cinema , interview , 連載 ]

ーーやっぱり子どもの頃から映画もたくさん見ていたのですか。 子どもの頃は、たくさん映画を観ましたね。西部劇をたくさん、メロドラマや歴史大作も。特に好きなのは70年代のアメリカ映画です──チミノ、カサヴェテス、コッポラ、モンテ・ヘルマン。そして80年代ではシドニー・ルメットですね。 ーーお気に入りの作品を聞かれたら何と答えますか。 『まだらキンセンカにあらわれるガンマ線の影響』というポール・ニューマ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:14 PM

November 8, 2025

映画について書く:現代作家たちへのインタビュー Écrire sur l'écran 第一回 夜から始まる物語――メイリス・ド・ケランガル氏へのインタビュー part2

[ book , cinema , interview , 連載 ]

ーー子どもの頃から読書や執筆がお好きだったそうですが、当時から作家になりたいと思っていましたか? 特に早熟だったわけではありませんが、7、8歳くらいの頃から本をたくさん読むようになりました。童話や、子ども向けの叢書から選んだ本を次々とむさぼるように読んでいたんです。主人公はだいたい自分と同じくらいの年齢の子どもで、いろいろな出来事に遭遇したり、謎を解いたりする物語でした。それ以来、読書をやめたこと...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:03 PM

November 1, 2025

映画について書く:現代作家たちへのインタビュー Écrire sur l'écran 第一回 夜から始まる物語――メイリス・ド・ケランガル氏へのインタビュー part1

[ book , cinema , interview , 連載 ]

アラン・ロブ=グリエやマルグリット・デュラスが活躍したヌーヴォー・ロマン以後、文学は映画との距離をいっそう縮めてきた。映画から直接的な影響を受ける場合もあれば、逆に意識的に距離を取ろうとする場合もある。いずれにせよ、小説と映画の関係は、もはや無視できないものとなっている。  今回インタビューに応じてくれたのは、ゴンクール賞候補に名を連ね、現代フランス文学を代表する作家のひとり、メイリス・ド・ケラ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:00 PM