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FIFAワールドカップ2022 クロアチア対ブラジル 1−1(PK4-2)

[ sports ]

 華やかで、ピッチ外での問題がないわけではないネイマールは、でもピッチ内ではとてつもなく気の利く選手だ。ブラジルは左サイドバックのダニーロが中に絞り、初期配置では中盤の底であったカゼミーロの横、あるいはカゼミーロを少し前に出して、ダニーロが代わりにアンカーの位置に可変する。ダニーロのポジショニングが、さほど上手くないことが気になるが、この形自体はプレミアリーグのトップを走る2チーム、アーセナル、マ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:18 AM

December 9, 2022

《第4回 映画批評月間:フランス映画の現在をめぐって》「異邦人であること」ジャン=マルク・ラランヌによるデルフィーヌ・セリッグについての講演 後編

[ cinema ]

想像力と蜂起する欲望  ここで意味深いと思われるある問題を検討していきたいと思います。それは、出演した映画の中でどのようにデルフィーヌ・セリッグがしばしば暴力的な仕方で死ぬかということです。この問題に注目すると、あらゆる女優たちがフィクションにおける死の前では平等ではないということがわかります。たとえばカトリーヌ・ドヌーヴのような女優は映画でほとんど死を演じていません。彼女が死ぬシーンは120本近...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:47 AM

December 7, 2022

『はだかのゆめ』甫木元空

[ cinema ]

 これはジャンルを問わず映画一般に言えることだと思うが、映画に出てくる人物たちは、生々しい存在感を露わにして見る者を圧倒するかと思えば、ふと気がついた時には希薄な存在感を漂わせていて見る者を心もとない気持ちにさせる。だから、映画の登場人物たちには、どこか亡霊的なところがある。「生きているものが死んでいて、死んでいるものが生きているような」と述べる者がいるように、『はだかのゆめ』に登場する人物たちも...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:52 PM

FIFAワールドカップ2022 日本対クロアチア 1−1(PK1-3)

[ sports ]

 エンバペが活躍できるのは、アンカーのチュアメニと左インサイドハーフのラビオが高低のバランスをうまく取り、彼への道を作っているからだし、なにより今大会はジルーが素晴らしい。36歳とヴェテランになり、もともと高くはなかった敏捷性がさらに落ちたものの、しかしいつどこに立てばいいかをほとんど間違うことがなく、気の利き方が異次元だ。エンバペやデンベレがスピードを上げた状態でボールを受けられるのはジルーのお...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:57 AM

December 2, 2022

『In-Mates』飯山由貴

[ cinema , photo, theater, etc... ]

 暗い画面が俄かに明るんでゆく。しかしその明るさは、あくまで仄暗いトンネルを照らすために点在する電灯によってもたらされたもので、延々と続くかに思える長い長いトンネルのなかを照らし出すには心許ない。遥か遠くで、警告のようなアナウンスがこだましているが、声が言葉としての像を結ぶ以前に、そのアナウンスはトンネルのなかの反響として消えてゆき、なにを語ろうとしているのか聞き取ることはできない。同じように、声...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:07 PM

FIFAワールドカップ2022 日本対スペイン 2−1

[ sports ]

 スペイン対ドイツの試合後、肩をくみ、笑い合うでもなくピッチを同じように鋭く見据え、語り合うルイス・エンリケとハンジ・フリックの姿は、『フォードvsフェラーリ』でレース後にただ2人見つめ合うクリスチャン・ベイルとレモ・ジローネ演じるエンツォ・フェラーリを思い出すような美しさがあった。勝負において、しかし勝ち負けではない価値を知っている者たちだけが味わえる幸福な瞬間である。お互いが、お互いの用意して...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:37 PM

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