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November 21, 2025

『潜行一千里 ILHA FORMOSA』
富田克也、相澤虎之助インタビュー
「共和へのトランス」

 空族が台湾で映画を撮るらしい、という噂を聞いて早数年、ついにその調査報告を目にする日がやってきた。『潜行一千里 ILHA FORMOSA』は、来年クランクイン予定の『蘭芳公司』の撮影準備のために、彼らが台湾各地の「原住民」(台湾では「先住民」ではなく「原住民」が正式な呼称として憲法で定められている)の部落を訪ねた記録である。そこには音楽があり踊りがあり、酒があり檳榔があり......、つまり部族...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:11 PM

November 13, 2025

映画について書く:現代作家たちへのインタビュー Écrire sur l'écran 第一回 夜から始まる物語――メイリス・ド・ケランガル氏へのインタビュー part3

ーーやっぱり子どもの頃から映画もたくさん見ていたのですか。 子どもの頃は、たくさん映画を観ましたね。西部劇をたくさん、メロドラマや歴史大作も。特に好きなのは70年代のアメリカ映画です──チミノ、カサヴェテス、コッポラ、モンテ・ヘルマン。そして80年代ではシドニー・ルメットですね。 ーーお気に入りの作品を聞かれたら何と答えますか。 『まだらキンセンカにあらわれるガンマ線の影響』というポール・ニューマ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:14 PM

November 8, 2025

映画について書く:現代作家たちへのインタビュー Écrire sur l'écran 第一回 夜から始まる物語――メイリス・ド・ケランガル氏へのインタビュー part2

ーー子どもの頃から読書や執筆がお好きだったそうですが、当時から作家になりたいと思っていましたか? 特に早熟だったわけではありませんが、7、8歳くらいの頃から本をたくさん読むようになりました。童話や、子ども向けの叢書から選んだ本を次々とむさぼるように読んでいたんです。主人公はだいたい自分と同じくらいの年齢の子どもで、いろいろな出来事に遭遇したり、謎を解いたりする物語でした。それ以来、読書をやめたこと...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:03 PM

November 1, 2025

映画について書く:現代作家たちへのインタビュー Écrire sur l'écran 第一回 夜から始まる物語――メイリス・ド・ケランガル氏へのインタビュー part1

アラン・ロブ=グリエやマルグリット・デュラスが活躍したヌーヴォー・ロマン以後、文学は映画との距離をいっそう縮めてきた。映画から直接的な影響を受ける場合もあれば、逆に意識的に距離を取ろうとする場合もある。いずれにせよ、小説と映画の関係は、もはや無視できないものとなっている。  今回インタビューに応じてくれたのは、ゴンクール賞候補に名を連ね、現代フランス文学を代表する作家のひとり、メイリス・ド・ケラ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:00 PM

October 3, 2025

パトリシア・マズィ監督インタビュー

複雑な人生を送る人として向き合う

パトリシア・マズィ監督の映画は、あらすじとしては簡潔にまとめられる物語であっても、どこか掴みどころのない複雑さを帯びているように思える。そうした印象を抱くのは、語りの形式が複雑だからではなく、具体的な描写を迷いなく淡々と積み重ねていくことによって、言葉にし難いさまざまな側面が立ち現れてくるからだろう。今回は『サターン・ボウリング』を中心に、そうした細部がどのように生み出されているのかを伺った。 ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:22 PM

April 26, 2025

『朝の火』広田智大監督インタビュー「終わらない時代を置き去りにしない」

 ゴミ処理場で働く男たち、老いた母親と暮らす女性、さまよう老人、次の停車場を思い出せないバス、いつもの定食屋。色彩を欠いた画面にとらえられたその街に住む人々は、改号という時代の節目にあってもなお、ぐるぐると同じ場所を巡り、どこにも行き着くことがない。鳥かごの中に閉じ込められているかのようなこの場所は、懐かしくもあるが、決してかつて経験したことなどはない、既視感と違和感とにあふれている。撮影から完成...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:56 AM

December 14, 2024

『私の想う国』パトリシオ・グスマン監督インタビュー

積み重なる「歴史=ストーリー」の核

2019年、チリで「社会の爆発」と呼ばれるチリ史上最大規模の社会運動が起こった。新自由主義の実験場とされたチリで降り積もってきた人々の怒りがついに暴発した。『チリの闘い』を代表作として50年以上チリ社会を記録し続けてきたパトリシオ・グスマンはこの出来事に突き動かされ、最新作『私の想う国』を制作する。 今作の日本公開にあわせて、パリ在住のグスマン監督にオンラインでインタビューを行った。監督の体調を考...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:43 PM

September 20, 2024

『満月、世界』塚田万理奈監督インタヴュー「本物の人間たちに、書かれた物語が少しずつ負けていって、現実に近づいていったらいい」

 年齢の離れたふたりの女性の関係性の変化を描いて幕を閉じた前作『空(カラ)の味』(2016)から8年。監督の塚田万理奈は、成長する子供たちを10年がかりで16mmフィルムにおさめる長編第2作『刻』を今も撮影中だ。そのプロジェクトの折り返し地点として公開されるのが、「満月」(みつき)と「世界」という2本の短編をおさめた本作『満月、世界』(2023)だ。 『空(カラ)の味』では、子供の視点から年長の女...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:00 PM

September 13, 2024

【後編】『石がある』太田達成監督、出演・加納土インタビュー「夜と昼の間で」

 大きな水門にぶつかることで、ふたりはそれ以上先に進めなくなる。そのときはじめて、「どこに向かっているのか」がふたりの間で問題になる。行きはよいよい帰りはこわい。日が傾き近づいてくる夜と、ふたりのそれから。(前編はこちら) ーー枝一本からなにかが生まれたという話と、直後の場面で小川さんが約束の場所に行かずに川を去ろうとする場面はどこか対照的なような気がします。あのとき彼女はiPhoneを取り出しま...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:05 PM

September 6, 2024

【前編】『石がある』太田達成監督、出演・加納土インタビュー「川と岸の間で」

 「なにもない」旅先で、見知らぬ誰かに出会う。ただの石、ただの枝と呼ぶほかないものが、それでもそれだけが持つ特徴によって、無数の石や枝の中でも特別なものになる。でもだからといって、この出会いが恋や愛と呼ばれなければいけないわけじゃない。無名なものと有名なもの、川と岸、ありふれたものとスペシャルなもの、それらの境目を『石がある』は漂い続ける。  順撮りでふたりの川辺の行程をたどるように撮影されたとい...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:08 PM

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