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April 27, 2005

『伊丹十三の本』「考える人」編集部 編
梅本洋一

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私の世代にとってエッセイスト伊丹十三は決定的だ。この本は、伊丹十三が書物に収めなかったエッセーと伊丹を知る人たちや彼の文章を読んだ人たちのインタヴューと伊丹の写真で構成されている。最近、彼の本も相次いで文庫化されている。私たちの世代にとっての伊丹の重要さ加減は、本書に登場するどの人も『ヨーロッパ退屈日記』を高校時代に読んで衝撃を受けたと書いていることで証明される。そして、私もそのひとりだ。多感な青年になりかけの時分に、他者とちょっと異なる態度と生活を自らに導入したいと思うのは自然だが、『ヨーロッパ退屈日記』はその格好の参考書だった...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:48 AM

April 25, 2005

『フルタイムライフ』柴崎友香
神徳雄介

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新しい春だ。この季節になるといつも不思議に思うことがある。山手線の車内で、昼間のオフィス街で、週末の夜の盛り場で、いろんなところでスーツを着た会社員と思しき人の一群を目にする。その中にまじっている新入社員をどうしてか、容易に見分けることができる。真新しい、着慣れないスーツのせいばかりではない。彼らのまとっている空気が、他の人のそれよりもなんとなくこわばっている。不安や緊張や焦り、そしてそういうこと以上に、新しい毎日の中でできるだけしゃんとして前を見ていようとする気概が...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:00 AM

April 21, 2005

『私の家は山の向こう─テレサ・テン十年目の真実』有田芳生
衣笠真二郎

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テレサ・テンが亡くなったのは10年前。その死は突然というよりも唐突であったように記憶している。歌手としての彼女の存在を忘れていたわけではなかったが、「え、死んだの?」と訝って聞き返すしかないような驚きがそこにはあった。それは不意を打たれたからではない。ゆっくりとした不気味なものが彼女の存在を飲み込んでしまったようにも感じられる、不確かな疑惑こそが彼女の死を伝えるニュースには漂っていたからである。なぜテレサ・テンはいきなり死んでしまったのか、そのような人々の疑問に答えるようにしてメディアは《テレサ・テン=スパイ説》を垂れ流して人の死を食い物にした...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:59 PM

April 16, 2005

『現金に手を出すな』ジャック・ベッケル
藤井陽子

初老のギャングであるマックス(ジャン・ギャバン)は、行きつけの店のジュークボックスや彼の第2の家(隠れ家)で「グリスビーのブルース」をかけていた。そして金魂があらわになる時にも、いつも「グリスビーのブルース」が流れていた。金塊とこのブルースは密接に結びつき、マックスもまたこのブルースから離れられない。 「金魂」で思い出すのは、同じくジャック・ベッケルの『赤い手のグッピー』だ。最後までなかなか見つけ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:46 PM

April 14, 2005

『F.O.B HOMES BOOK』F.O.B HOMES 監修
須藤健太郎

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4月に入り、街を歩いているとやたらとテンションの高い人たちを見かける。スーツを着ていれば新社会人で、私服だったら新入生だろう。始まりの予感に満ちていて、とても楽しそうだ。 この前、今年から新社会人になった友人と話していて思ったのは、「わからないことだらけでストレスが溜まる」とか言いながら、けっこう新生活を楽しんでいるということだった。とにかく前向きで、たとえば初めて名刺を持つという些細なことを彼は...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:52 AM

April 8, 2005

『四十日と四十夜のメルヘン』青木淳悟
月永理絵

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「日付けを追いかけては引き返し、手ぐり寄せては押し戻す」、主人公のあるいは作者のそんな試みは偏執狂的なまでに徹底している。主人公あるいは作者の、と言ったのは、この小説に登場する「わたし」が小説を書こうとする行動が、同時に『四十日と四十夜のメルヘン』という作品を形づくっているからである。「わたし」をめぐる物語や、私小説にすらなり切れていない日記としか呼べないような小説が、今は溢れ返っているような気が...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:18 AM

April 7, 2005

『FILING—混沌のマネージメント』織咲誠・原研哉+日本デザインセンター原デザイン研究所 企画/構成
藤井陽子

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たとえば部屋の中をぐるっと見回してみると、それだけで人はかなり多くの種類の物質を目にすることができる。自らが意図して、あるいは無意識のうちに、集まっていったものとその混沌を、単に無機的に整頓するのではなく、ゆるくまとめ、ものとものとを出会わせる有機的な空間を生み出すような整理をしないか、というのが「FILING」のひとつの提案で、本書ではその実行例や、実行する際に手助けとなるひと工夫された道具、ア...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:33 PM

Champions League quarter-final 1st leg チェルシー対バイエルン・ミュンヘン 4-2
梅本洋一

前半は両チームとのプレスの掛け合いで中盤で優位を取れない。バイエルン、チェルシーともこの戦い方でここまで勝ち上がってきたわけで、チェルシーもモウリーニョ不在であってもこの戦い方を変えることはない。両チームともフォーメーションは4-5-1。だがポゼッションは次第にチェルシーが上回るようになる。マケレレ、ランパードのセンターミッドフィールダーふたりの力が、バイエルンをずっと上回り、バイエルンは、頼みの...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:11 PM

April 5, 2005

『批評と理論』磯崎新、鈴木博之、石川修武 監修
梅本洋一

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多くの部分が上下2段組で400ページ近い本書のサマリーを書くことなど不可能だろう。ふたりの建築家とひとりの建築史家が「日本‐建築‐歴史を問い直す7つのセッション」(表紙)を監修している。伊勢神宮から岡倉天心、ブルノ・タウトを経由して岡本太郎、そして監修者のひとりである磯崎新までの2000年近い「日本」の建築が、建築ばかりではなく、美術、文学など多くの視点から辿り直されている。このとても厚い書物を貫...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:15 AM

April 4, 2005

『THE INTERNATIONAL TUSSLER SOCIETY』インターナショナル・タスラー・ソサエティ
月永理絵

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まずインターナショナル・タスラー・ソサエティとは何者か、という説明から始めよう。彼らは1989年に結成されたノルウェーの3人組バンド、モーターサイコのメンバーによるサイド・プロジェクトの名前であり、発表されたアルバムのタイトルでもある。インターナショナル・タスラー・ソサエティの発足のきっかけは、あるアメリカ映画、それもウェスタン映画のサントラ制作をてがけたことによるという。そのときサントラ盤として...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:49 AM

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