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November 24, 2008

『完美生活』エミリー・タン
田中竜輔

 長編二作目になるというエミリー・タン監督の本作は、理想とはほど遠い人生の在り方に苦悩する二人の女性を、フィクションとドキュメンタリーとの双方で被写体に選び、それを並列的に映し出したフィルムだ。実際の製作過程としては、当初は完全なフィクションとして製作されたこのフィルムの出来に不満を持ったタン監督が、後付けのようなかたちでドキュメンタリーサイドを撮影し、最終的なラストシーンがそのあとで付け加えられ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:09 PM

ラグビーテストマッチ 日本対アメリカ 32-17
梅本洋一

 テストマッチ2連戦2連勝は、ニュージーランダーやアイランダーに頼った日本代表が戦術的な的を絞ってある程度レヴェルアップできている現状を伝えているだろう。新ルールに則って、積極的にキッキングゲームを仕掛け、それにSOのウェブがうまく応え、ニコルス、ロビンスの両センターを核として安定したゲームを組み立てている結果である。ジョン・カーワンの手腕は確実で、ステップ・バイ・ステップ、日本代表を上昇させてい...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:24 AM

『サバイバル・ソング』ユー・グァンイー
田中竜輔

 ユー・グァンイー監督の処女作にして前作『最後の木こりたち』は恥ずかしながら未見で、そのことを本当に悔やむかたちとなった。本作はその続編にあたり、監督自身が兵役のときに戦友だったという羊飼い/猟人のハン、そしてその妻と、彼の元を一時離れた「裏切り者」であるシャオリーツーたちの共同生活をその被写体としている。貯水地の建設を名目に当局から立ち退きを強いられるも、ハンはひたすらに抵抗し、厳しい冬を密漁に...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:13 AM

November 23, 2008

『マクナイーマ』ジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ
田中竜輔

 第9回東京フィルメックスの朝日ホール上映1本目は、国内初上映となるジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ監督特集のなかでも最高傑作と言われる本作。とりあえず解説を流し読みしただけでも相当な怪作であろうことは伺えたが、冒頭の主人公マクナイーマの衝撃的な(ほかにどう表現していいものか……)生誕シーンからしてただ感嘆、爆笑である。  最初から最後までマクナイーマが揺られ続けるハンモックのように、映画は蛇...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:41 AM

November 17, 2008

『ブロークン』ショーン・エリス
宮一紀

 「70年代アメリカのサスペンス映画のような作品を撮りたかった」と語る謙虚で正しいショーン・エリス監督のコメントを聞いた時点で否応にも期待は高まった。実際、このイギリス人の若手映画作家は出来事の推移を適正な時間の中で観客に伝えることができ、風や暗闇といったそれ自体は決して画面に映らないものをとても大切に扱っているようにも見て取れる。だが、このフィルムは冒頭に引用されたエドガー・アラン・ポーの短編小...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:34 AM

November 15, 2008

『おかしな時代──『ワンダーランド』と黒テントの日々』津野海太郎
梅本洋一

 この本の帯にはこうある。「アングラ劇団旗揚げのかたわら、『新日本文学』で編集を学び、晶文社で雑誌みたいな本を次々に刊行。黒テントをかついで日本縦断のはて、幻の雑誌『ワンダーランド』を創刊! 60年安保から東京オリンピック、そして70年前後の大学紛争まで、若者文化が台頭した『おかしな時代』を回想するサブカルチャー創世記」。過不足なく、見事に本の内容がまとめられていると思う。「新日本文学」はともあれ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:09 PM

November 12, 2008

『かけひきは、恋のはじまり』ジョージ・クルーニー
梅本洋一

 もっとも困難な映画とはどんなフィルムを指すのだろうか? あるいは、彼岸にあるフィルムとは何なのか? どちらの質問にも同じ解答を与えることができるだろう。解答例として挙げられるのは、『ヒズ・ガール・フライデー』(ホークス)、『フィラデルフィア物語』(キューカー)。複雑なキャメラワークも、凝った編集もなく、俳優たちが立ったまま、台詞を言っているだけだと感じられるように見えるのだが、それが極めて自然に...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:07 AM

November 11, 2008

『赤めだか』立川談春
梅本洋一

 好評につき版を重ねている本をここで紹介するのは本意ではない。だが、誰からも、あれはめっぽう面白い本だ、と言われれば、どうしても本屋で手に取り、何ページか立ち読みしたくなるものだ。で、立ち読みしてみると、なるほど、これは面白い!と感じられ、平積みになっているその本を下の方から取って、レジに持って行ってしまうものだ。帰ってから寝る前に少しずつその本を読み進め、残りページが少なくなると、もう終わりかと...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:26 PM

November 5, 2008

『エグザイル/絆』ジョニー・トー
梅本洋一

 おそらくハッピー・エンディングは来ないだろうと誰でも思うだろう。だが、それでも、ジョニー・トーの演出は、ぼくらを捉えて放さない。究極の「型」の世界。つまり、それは演出の果てとでも呼べるだろうが、ストーリーの進行とは関係なく、銃撃戦があれば、それを磨きをかけた演出で描ききる。それぞれの登場人物に、「型」があり、その「型」と別の「型」が結ぶとき、新たな「型」が生まれ、映画は「型」から「型」へと不定形...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:11 AM

October 28, 2008

『宮廷画家ゴヤは見た』ミロス・フォアマン
宮一紀

 18世紀末、スペインで長らく廃止されていた異端審問がカトリック教会の名の下に復権する。ポルトガル移民の子孫で裕福な商人の娘イネス・ビルバトゥア(ナタリー・ポートマン)は、ある晩居酒屋で豚肉に手をつけなかったことからカトリック教会にユダヤ教徒と見なされ、異端審問への出頭を命じられる。審問とは名ばかりの拷問——全裸で後ろ手に天井から吊るされる——によって罪の自白を強要されたイネスは牢獄に収容されるこ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:39 AM

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