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October 26, 2012

『ミステリーズ 運命のリスボン』ラウル・ルイス
結城秀勇

パンフレットに掲載のインタヴューで、ラウル・ルイスは次のように語っている。「連続ドラマは、全てを消化することのできる優れた肝臓を持つ生物である」。この作品はラウル・ルイスという映画史でも有数の巨大な肝臓をもつ監督の持つ消化力が遺憾なく発揮された作品であり、同時に観客の肝臓を信頼した「ひらめき」に満ちた作品となっている。壮大で優雅であると同時にどこか胡散臭くもありそこがまた魅力であるという、ルイス...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:14 PM

October 25, 2012

【TIFF2012】前半レポート
代田愛実

10月22日−24日、鑑賞作品 〈コンペティション部門〉『風水』(ワン・ジン/中国)『ティモール島アタンブア39℃』(リリ・リザ/インドネシア)『アクセッション ― 増殖』(マイケル・J・リックス/南アフリカ)『シージャック』(トビアス・リンホルム/デンマーク)『黒い四角』(奥原浩志/日本)『NO』(パブロ・ラライン/チリ=アメリカ)『未熟な犯罪者』(カン・イグァン/韓国)『もうひとりの息子』(ロ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:11 AM

【TIFF2012】レポートvol.02 10月22日(月)
増田景子

この日は当日券の列に並ぶところから始まった。お目当ては在仏カンボジア人の若い監督の撮った『ゴールデン・スランバーズ』(監督:ダヴィ・チュウ)。ポル・ポト政権前の幻のカンボジア映画全盛期といってもピンとこないが、見た人は誰もがおもしろいと口を揃えて言うこの映画のために朝から並んだのだ。座席指定やチケット発券で時間がかかっているのだろう、新しい映画史との出会いに胸をふくらましつつも、列の進みの遅さに業...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:05 AM

October 23, 2012

『ゴールデン・スランバーズ』ダヴィ・チュウ
結城秀勇

 1960年代から70年代前半にかけて、東南アジアを代表する映画の都であったプノンペン。だがポル・ポト政権によって、産業としての映画は完全に崩壊し、またフィルム自体の圧倒的多数が消失した。本作品はそれらの失われた映像を巡るドキュメンタリーである。黄金期の映画を直接的に記録するはずのフィルムは失われており、したがって作品中に引用される映画のシーンはごくごく限られたものである。その代わりに、その時代に...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:42 PM

TIFF2012に寄せて
代田愛実

第25回東京国際映画祭が始まっている。 昨日は東京国際映画祭にてコンペ作品4本、ある視点部門1本を鑑賞した。 コンペは中国、インドネシア、南アフリカ、デンマークと国際色豊か。どの作品もある個人の日常を追う事で背景となる国や社会を映し出そうとする企画意図があるようだが、個人的キャラクターの掘り下げ不足によって、結局は個人的な物語にまとめてしまっている感があった。どの主人公にも辛い状況が次々と襲ってく...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:00 AM

October 22, 2012

【TIFF2012】レポートvol.01 10月21日(日)
増田景子

今日はインドの右に始まり、左で終わった1日であった。 午前中はザ・ボリウッド映画の『火の道』(監督:カラン・マルホートラー)を見る。どうやら最近インドもシネコン化が進み、回転のいい2時間ものが増えているらしいのだが、この映画はそんな波に抗いながらの167分。もちろんアクションも歌もダンスも盛りだくさん。しかしボリウッドをあなどってはいけない。ハリウッド映画に比べ、ボリウッドの方が昔堅気な職人気質な...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:29 AM

October 3, 2012

『バビロン2―THE OZAWA―』相澤虎之助
高木佑介

 東南アジアをバックパッカー旅行していたという監督の相澤虎之助は、自分や欧米人がビーチで能天気に遊んでいるこの旅には何か欠けている、それは恐らく「歴史」だと思い至り、『花物語バビロン』(97)から始まるこの「バビロンシリーズ」を構想したという。 「なぜなら歴史とは列強国の植民地支配の歴史であり、その基で経済と文化の交流が行われていることを意味するからです。過去を忘れ未来に向けて意識を覚醒しようとも...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:28 AM

September 20, 2012

『蜃気楼』製作報告イベント『今、僕は』竹馬靖具
増田景子

竹馬靖具監督の最新作『蜃気楼』の製作報告イベントに行ってきた。しかし『蜃気楼』の撮影は現在7分の1しか終わっておらず、今回のイベントでは前作の『今、僕は』(09)と数分の『蜃気楼』の特報の上映、そしてゲストによるトークショーが行われた。なので『蜃気楼』についてふれる前に、『今、僕は』の話をさせてもらう。  『今、僕は』はとてつもなく閉鎖的な映画だ。主人公は20歳の引きこもり青年。部屋にはゲームや漫...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:54 AM

September 13, 2012

『適切な距離』大江崇充
隈元博樹

映画における現実と虚構とのはざまのなかで、虚構が現実へと歩み寄っていく時間を思い起こしてみることがある。たとえば古参の隠遁画家が、新参画家の恋人である女性とのやりとりを通じ、その豊満な裸体を精緻に描いていくあの時間(リヴェットの『美しき諍い女』)や、舞台と私生活とのはざまを往来する老名優の時間(オリヴェイラの『家路』)など、映画には何にも代えがたい奇妙なひとときが存在する。挙げればキリがないけれど...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:46 PM

August 10, 2012

『親密さ』濱口竜介
結城秀勇

 当然だが、電車が走る線路というものは平行して進むふたつの線からできている。この映画のタイトルである「親密さ」とはその線路みたいなものなのではなかろうか。ふたつの長い長い線を、どこまでも離れず同じ距離で寄り添って走るものだとみなすのか、それともどこまで行っても決して交わらないものだと見るのか。それだけが親密さを巡って問われる唯一の事柄なのであって、そのことに比べれば実際にふたつの線の間にある距離な...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:18 PM

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