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February 16, 2012

『ドラゴン・タトゥーの女』デヴィッド・フィンチャー
隈元博樹

リスベット(ルーニー・マーラ)の背中から美尻にかけて彫られた漆黒のドラゴン・タトゥー。その美しいドラゴンから一瞬たりとも目が離せないかのように、気がつけば誰もがこの158分の「犯人探し」の旅へと巻き込まれていくだろう。ただしデヴィッド・フィンチャーのフィルモグラフィーをたどってみると、『セブン』では捜査中に連続猟奇殺人事件の犯人が自ら出頭してしまうことで「犯人探し」は終わりを告げた。『ゲーム』や『...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:44 PM

February 15, 2012

『ヒミズ』園子温
増田景子

園子温監督ははやくも震災を映画にとりこんだ。それが『ヒミズ』だ。結果、この映画は今後の被災地のひとつの可能性を描きだしたといえる。 この映画は古谷実による同名の漫画(2001-2003年連載)を原作とした映画で、9月に行われたヴェネチア映画祭ではコンペティション部門で主演の染谷将太と二階堂ふみがマルチェロ・マストロヤニン賞(新人賞)を受賞、1月から全国でロードショーが始まった。「普通」を夢見る中学...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:53 PM

January 30, 2012

『J・エドガー』クリント・イーストウッド
梅本洋一

 イーストウッドは、あるインタヴューで、ものごころついたときからFBIの長官はずっとフーヴァーだった、と言っている。49年間も同じ地位になった人物なので、イーストウッドの感想も当然のことだろう。だが、ぼくはこの人をまったく知らなかった。この人の名前を知ったのも、イーストウッドが、ディカプリオ主演でこの人についての伝記映画を撮影中だというニュースを聞いたからだ。つまり、ぼくは、まったくの白紙でこのフ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:04 PM

January 21, 2012

『永遠の僕たち』ガス・ヴァン・サント
梅本洋一

 このフィルムの原題はrestless。文字通りrestがない。「落ち着きがない」とか「動き続ける」とか、「そわそわしている」とか、だから「不安」や「不穏」だという意味になる。見知らぬ他人の葬儀に出席し続ける登校拒否生徒のイーノックは、ある葬儀で短髪で色白の少女アナベラに会う。  難病もの? 青春映画? どちらも当たっている。青春映画というのは、タイムリミットのある若さを疾走する映画であり、その極...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:49 PM

December 20, 2011

『ラブ・アゲイン』グレン・フィカーラ&ジョン・レクア
松井宏

「長年連れ添った妻に突然離婚を告げられた中年男スティーヴ・カレルがなんとか彼女を取り戻そうとがんばる」。そんなあらすじを読んだだけでわかるけど、これは典型的なリマリッジ・コメディである。つまり冒頭でさっそく駄目になったカップルが以降、どのように再生するかが問題となる。「再生するかどうか」じゃなくて「どのように」こそが、このジャンルの焦点だ。    その点『ラブ・アゲイン』は見事。妻エミリー(ジュリ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:16 PM

December 9, 2011

『カルロス』オリヴィエ・アサイヤス
田中竜輔

 このフィルムが5時間半という時間を通じて映し出すカルロス=イリイッチ・ラミレス・サンチェスとは、もちろんかつて世界を揺るがした極左テロリストのことだ。膨大な一次資料に目を通し、俳優の国籍や使用言語にも固執し、 いくつかのシーンでは現存する資料の中に再構築されたカルロス自身の言葉をそのままに使い、実在の関係者たちと面会するにまで至ったというオリヴィエ・アサイヤスの史実に接する態度は、きわめて誠実な...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:37 PM

『ウィンターズ・ボーン』デブラ・グラニック
松井宏

 ファーストカット。ああ、16ミリ!と思い、それだけで画面に釘付けになってしまったのだが、エンドクレジットで「レッド・ワンで撮影」とあった。レッドというのはこんな画面まで可能なのか。しかしいったいどうやって、どんなプロセスであんな映像になるのか。正直よくわからないので、どなたかわかる方がいたら教えてほしいです。  バーバラ・ローデンの『Wanda』(70)も、ダルデンヌ兄弟の『ロゼッタ』(99)も...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:16 PM

December 8, 2011

関東大学ラグビー対抗戦 早稲田対明治 18-16
梅本洋一

 ちょっと遅きに失したが備忘録として今年の早明戦について。  早慶戦でツボにはまった早稲田のワイドに振る方法とキックパスだが、早明戦の明治では毎年のことだが、ここ一番のディフェンスをシャローで仕掛けてこられると、ふたつともうまく行かなかった。もちろん強風の影響がキックパスをためらわせたかもしれない。だが、SOが狙いを定めたキックをする余裕が明治のディフェンスで与えられていなかった。さらに明治のシャ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:38 AM

December 7, 2011

『トゥー・ラバーズ』ジェームズ・グレイ
高木佑介

 ジェームズ・グレイの新作(と言っても、製作は2008年)が、先日紹介したリチャード・リンクレイターの新作と同じくDVDスルーされている。シネコンではハリウッド大作映画だけが画一的に公開されている一方で、こういった「多様」な海外作品が劇場公開すらされない事実には頭を抱えるばかりだ。たとえば、シネコンと大手配給会社が結託した「デジタル上映システム」への完全移行がこのまま推し進められていくと、弊害が巡...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:39 PM

December 5, 2011

『CUT』アミール・ナデリ
隈元博樹

鎌倉にある黒澤明、池上にある溝口健二、そして北鎌倉にある小津安二郎の3つの墓場。秀二(西島秀俊)が、黒澤の墓石の前でただ静かに「先生」とつぶやく。溝口の墓石の前では記念碑に彫られた『雨月物語』の文字を自らの指でなで合わせる。そして小津の墓石の前では「無」と彫られた一点の文字を見据え、静かに両手を合わせる。 このフィルムには、たくさんの墓場が登場する。秀二の兄の慎吾が殺されたヤクザのシマの倉庫の便所...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:03 PM

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