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『蝶採り』オタール・イオセリアーニ

インドのマハラジャを乗せた列車が到着するシーンによって幕をあけるこのフィルムはまぎれもなくトランジットの映画だ。ピアノ奏者の老婆が到着すると同時に賛美歌の時間になり、曲が終わると同時に彼女がさっさと席を立って自転車に乗って帰ってしまうところなど、とてつもなく正確な数種類の時刻表を熟知してそれを乗り継ぎ、目的地まで最短時間で到着するようなアクションだ。あるいはとてつもなく不正確なダイヤの乱れを利用し...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:33 AM

June 27, 2004

『白いカラス』ロバート・ベントン

雪道をゆっくりと滑るように走るヴォルヴォ。その前に赤いピックアップ・トラックが現れる。2車線の道だが、トラックはまっすぐにヴォルヴォに向かってくる。ハンドルを右に切り、道路から下の大きな湖に転落するヴォルヴォ。『白いカラス』の冒頭だ。 ロバート・ベントンのフィルムを見るのは本当に久しぶりだ。『俺たちに明日はない』の伝説的なシナリオを担当し、『クレーマー/クレーマー』でオスカーに輝いた映画作家も、「...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:32 AM

June 25, 2004

『デイ・アフター・トゥモロー』ローランド・エメリッヒ

『インディペンデンス・デイ』と同様に、世界滅亡の危機に見舞われる「ザ・デイ」をエメリッヒは描く。しかし、それは適度な危険のほのめかしと、それをもとにしたちょっとした教訓話に収まってしまう。 温暖化の揺り返しで一気に寒冷化が進む北半球で、洪水と吹雪に人々が逃げまどう。合衆国を南北に二分する線が引かれ、北部は見捨てられ、南部の住民も土地を捨てて更に南へ逃げることになる。その絶対的な危機でニューヨークに...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:31 AM

June 18, 2004

『あなたにも書ける恋愛小説』ロブ・ライナー

どの時点で“The End”にするか。ケイト・ハドソンの忠告を聞いても、男はストーリーを変えたりはしない。“The End”という言葉をだらだらと引き延ばしていくだけだ。一方では時間の制約と戦い、もう一方で時間を引き延ばすことに躍起になる。 恋愛小説はどのように作られていくのか。まずは誰と誰が最終的に結ばれるか、という問題がある。結末を予想させないために、複雑なドラマを作り出さなければいけない。登...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:29 AM

June 7, 2004

『キル・ビルvol.2』クエンティン・タランティーノ

その『Vol.1』を大批判し、多様な場で物議をかもしたので、やはり『Vol.2』についても書いておかねばならないだろう。 蓮實重彦が何度も書いているとおり『vol.1』と『Vol.2』は通しで見られるべきものであることは、この『Vol.2』が証明している。『vol.1』は、『vol.2』への序章であって、独立した1本のフィルムとして見ると、そのアクションの連続は、『Vol.2』のメロドラマへの準備...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:28 AM

『負ける建築』隅研吾

隅研吾『負ける建築』とても興味深く読んだ。ポストモダンの終演以降、阪神大震災、オウムのサティアン、そして9.11のWTCまで建築の脆弱さばかりに焦点が当たる事件が続発した。この書物は、95年以降──つまり阪神大震災以降──に隅研吾が折に触れて書いた長い文章を集めて成立している。循環するがゆえに決定的な解決という地点が見いだせないケインズ流の経済学の中にあって、最終的な決定にも似た堅牢な建築物を建て...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:27 AM

June 2, 2004

『シティ・オブ・ゴースト』マット・ディロン

高飛びした保険金詐欺集団のボス(ジェームズ・カーン)を追って、マット・ディロンはタイ、続いてカンボジアに向かう。親同然のその男は地元の実力者と関係を持っており、ディロンは組織との利害抗争の中に巻き込まれていく。デヴィッド・リンチ作品を手がけるバリー・ギフォードとの共同脚本であるこの映画はどうしようもない迂回をもってそれだけの物語を語る。 ほぼ全編カンボジアロケのこの映画の肝は、むしろニューヨークで...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:25 AM

『ロスト・イン・トランスレーション』ソフィア・コッポラ

ビル・マーレーが初めに目にする東京の風景は、靖国通りを走る車の窓の外に流れるネオンの数々である。印象的ないくつかの電飾がコラージュされた後に、彼自身が出演しているひとつの看板に視線は止まり、同時に彼の乗る車の運動も止まる。だがそこでは、彼が目にする光景と車の運動はただ互い違いに映し出されるに過ぎず、連動して映画を運動させはじめることはない。車の運動と窓の外の光景によって靖国通りがひとつの道程に変わ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:23 AM

June 1, 2004

『ビッグ・フィッシュ』ティム・バートン

ティム・バートンほど頑迷な映画作家がいるだろうか。『ビッグ・フィッシュ』が彼の転回点に当たるとか、それまでの彼の作品とは異なる位相にあるなどということはない。ティム・バートンは、『ビッグ・フィッシュ』でも頑固なまでにティム・バートンのままだ。のっぺりとした表層をたたえただけの今の世界には「映画」を生み出すエンジンは存在しない。だから、ティム・バートンのフィルムの主人公は、常に、「映画」を探し求めて...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:22 AM

ラグビー スーパーパワーズカップ2004 ジャパン対ロシア ジャパン対カナダ

対韓国戦での萩本をさんざん批判し、これでは対ロシア戦も対イタリア戦もまったく期待できないと結んだ私が、この連勝をどのように記せばよいのか? 共に2トライながらも、5つのPGで逃げ切った対ロシア戦(29-12)。箕内がフランカーに入ったことで、ディフェンスが安定し、ロシアの無策にも救われたが、試合運びはずいぶん安定した。突き刺さるタックルこそ多くはなかったが、とりあえずタックルにはいくようになった。...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:20 AM

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