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March 5, 2015

『5 windows eb』『5 windows is』瀬田なつき
結城秀勇

どれだけの人が共感するかはわからないし、これが的を射た観点だとも思わないのだけれど、私にとって「5 windows」とは、『ローラ殺人事件』(オットー・プレミンジャー、1944)や『デジャヴ』(トニー・スコット、2006)の系譜に連なる「すでに死んだ女に恋をする話」の最新版なのであり、こうしてもともとのプロジェクトから時間も空間も距離をおいた◯◯ヴァージョンが付け加えられるたびに次第にその思いは強...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:59 PM

March 3, 2015

『さらば、愛の言葉よ』2D版 ジャン=リュック・ゴダール @横浜シネマリン
結城秀勇

2014年度ベストでも書いたことだが、この映画についてどう語るべきなのかを悩んでいた。つまり自分がこの映画で見たものと同じものを、自分以外の人たちも当然のように見た、という前提に立ってよいのかわからなかったのだ。もちろん、人と話せば「タイトルの3Dって文字が飛び出してたよね」とか「右目だけパンする画面があったよね」とか、自分が見たと思うものがたしかにスクリーンに映っていたらしいことは確認できる。だ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:34 PM

February 7, 2015

『少女と川』オレリア・ジョルジュ
隈元博樹

 この映画の水面には、ふたつの働きがあると思う。ひとつは物質として存在し、つねに外からの光を照り返すようにして反射させること。もうひとつは地上にかけて存在する現実の世界から、その奥底へと繋がる別の世界を想起させることだ。だからここに映る幾多の川はその水面下の状況を映し出すことはないし、つまりはどの水面も透き通ってはいない。目上の太陽や街灯を反射させることはあるけれど、私たちは水中の状況を知ることさ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:30 PM

February 5, 2015

『メルキュリアル』ヴィルジル・ヴェルニエ
結城秀勇

「第18回カイエ・デュ・シネマ週間in東京」のチラシには、この作品の物語が、いま現在ここにある世界とは別の世界を描いたある種のファンタジーのようなものとしてあらすじが書かれているのだが、実際映画を見てみて、半分同意するとともに半分納得できないでいる。ヴィルジル・ヴェルニエという若い映画監督の過去作について書かれた海外のいくつかの文章にちらっと目を通してみると、決まってドキュメンタリーとフィクション...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:52 AM

January 27, 2015

『ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して』アルノー・デプレシャン
結城秀勇

第二次世界大戦の従軍中に頭部に障害を負ったアメリカインディアン、ジミー・ピカード(ベニチオ・デル・トロ)は頭痛とめまいの治療のために、陸軍病院に入院することになる。その際に行われる様々な検査のなかで、ロールシャッハテストのような、特定の図像を見て思うことを述べる検査が行われるのだが、示された絵を見てしばし黙りこんだジミーは、やがてこんなことを言う。「代わりに毎晩オレが見るイメージの話をしよう」。高...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:35 AM

December 6, 2014

『自由が丘で』ホン・サンス
隈元博樹

 映画のなかの時間とは、ほんとうに厄介なものだと思う。どんな映画を見るにしろ、私たちはある決まった上映時間のなかで数多のシーンを目撃しつつ、物語の顛末や登場人物たちの過程を知るために、そのほとんどを映画のなかの時間に負うているからだ。だからその時間とは、基本的に登場する人物の行為や物語に委ねられている。そして時間を操作することのできる作り手は、そうした時間の経過を説明するための所作さえも必要とされ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:17 AM

November 23, 2014

『ショート・ターム』デスティン・クレットン
常川拓也

エドガー・ライトが2013年のベストの一本に挙げ、ジャド・アパトーが絶賛した(アパトーは次回作『Trainwreck』に本作主演のブリー・ラーソンをキャスティングしている)まだ無名の新鋭監督の長編二作目『ショート・ターム』の舞台となる短期保護施設にいるのは、家庭のトラブルで深い傷を負った子どもたちだ。つらい秘密を持ったナイーヴな彼らを、時に愛が傷つけている──触れると灯りが点いたり消えたりするラン...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:18 PM

November 20, 2014

『息を殺して』五十嵐耕平
高木佑介

 上映終了が間近に迫っているが、五十嵐耕平の『息を殺して』が川越スカラ座にて上映されている。舞台はゴミ処理工場の内部とその近辺にあるとおぼしき森のみ。新年の訪れが朗らかに祝われそうな気配はなく、人々は皆一様に声が小さく活力が感じられない。年末ということで仕事納めは済んでいるはずなのだが、彼らが一向に家に帰ろうとしないのは、その工場の外側が大して面白くない場所だからだろうか。倦怠感や閉塞感に似た雰囲...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:01 AM

November 11, 2014

『下女』キム・ギヨン
常川拓也

姉と弟が愉しげにあやとりしているオープニング・シーン。幸福な家族然としたその場面に重なるのは、正反対であるはずの大仰で不吉な音楽だ。姿形を変えては絡まるあやとりの糸は、蜘蛛の巣のようでもあり、絡みつく女の性を想起させる。そして、いつほどけるかも知れないあやとりの脆さは、突如訪れる不穏な死を連想させもする。その危うさが『下女』を象徴している。 一見円満な暮らしを送るブルジョワ的な一家を舞台にした『下...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:46 PM

November 10, 2014

『ジャージー・ボーイズ』クリント・イーストウッド
吉本隆浩

 「あ、この曲聞いたことがある!この人たちが唄っていたのか。」こう思った瞬間、人々は不思議と感動に包まれる。監督のクリント・イーストウッドも同じ体験をしたであろう。彼自身、「フォーシーズンズ」についてはあまり知らなかったが、「ジャージー・ボーイズ」の舞台を見てストーリー、キャラクター、そして素晴らしい楽曲を純粋に楽しみ、映画化に挑戦した。その日の撮影を終えたあと、知らず知らずに彼らの歌を口ずさんで...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:06 AM

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