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July 9, 2006

『チーズとうじ虫』加藤治代
黒岩幹子

 病気になった母親との暮らし、その死後の暮らしを映したドキュメンタリー映画。  この映画を見ながら、数年前に見た大橋仁の『目のまえのつづき』という写真集のことを思い出した。そのなかには、自殺未遂を起こした父親が救急隊員に運ばれる様、大量の血に染まった布団、病院の待合室、意識を取り戻した父親の眼……そんな写真がおさめられていた。  この『チーズとうじ虫』という作品も、「目のまえ」に立ち現れた肉親の生...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:21 AM

June 22, 2006

『嫌われ松子の一生』中島哲也
結城秀勇

“兄弟たちよ、愛は教師だ”(『カラマーゾフの兄弟』) 『嫌われ松子の一生』を見るにあたって、『下妻物語』のDVDを借りてきて見たのだが、私はこの作品が好きだ。田んぼの反復と「ジャスコ」の服に視覚的に支配されている場所である「下妻」と、オルタナティヴな「伝説」の宿る場所である「代官山」。主人公ふたりはその両極を往復するのだけれども、「代官山」という場所が特権的であるのは実は彼女たち自身が自らのアイ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:03 AM

June 19, 2006

『幸せのポートレート』トーマス・ベズーチャ
黒岩幹子

 公開は真夏だけれど、これはクリスマスを舞台にした家族の物語だ。お堅いキャリア・ウーマンのメレディスが婚約者の実家・ストーン家(原題は「The Family Stone」!)でクリスマス休暇を過ごすことになるが、自由奔放でオープンなストーン家の人々は彼女のことが気に入らず波乱のクリスマスに……というお話。もちろんメレディスの恋愛・結婚の行方も物語の要素のひとつだが、家族愛、家族はどのようにしてつく...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:46 AM

June 16, 2006

『ママン』クリストフ・オノレ
結城秀勇

今年のカンヌ映画祭で最新作『Dans Paris』が高い評価を得たというクリストフ・オノレの長編二作目『ママン』。 冒頭からカメラは登場人物に肉薄し、ほとんど背景が見えないほどに人物を大きく映し出す。舞台となるのはスペインの避暑地で、海と広大な砂漠が広がっている抽象的な空間だ。そうなれば当然、そこに映し出される人物の身体が非常に重要な役割を持つはずなのだが、しかしこのフィルムがその点で特筆すべき成...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:38 AM

June 6, 2006

ラグビー パシフィック・ファイヴネイションズ ジャパン対トンガ 16-57
梅本洋一

 対マルタ戦に辛勝したフットボールの中田が怒っているようだが、大黒のシュートが決まっていれば3-0のゲームだった。マルタの体を張ったディフェンスとカウンター狙いにうまく引っかかった。でも勝てた。そんなゲームもある。重要な瞬間はまだ先だ。  それに対して同日開幕したラグビーの公式戦パシフィック・ファイヴネイションズ(トンガ、フィジー、サモア、オールブラックス・ジュニア、ジャパン)のジャパンは重傷だ。...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:03 AM

June 2, 2006

ドイツ対日本 2-2
梅本洋一

 すでに多くの記事が示しているとおり、基本的に日本代表は悪くないゲームをした。ショートからミドルレンジのパスを交換し、バイタルエリアでスルーパス。高原の久々の2点も良かったが、このゲームでは、日本代表の長所はやはり中盤にあることが証明された。ヒデ、俊輔、福西の3人はバラックを中心とするドイツの中盤よりもずっと良かった。  だが、勝ちきれない。簡単なセットプレーから2点を献上し、結局ドロー。善戦した...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:41 AM

May 19, 2006

『ヨコハマメリー』中村高寛
梅本洋一

 ぼくもヨコハマ・ネイティヴだから、白塗りの街娼メリーさんのことは知っていた。そして、それがドキュメンタリーとして撮影されたと聞いて見に行った。横浜で見たのではない。池袋だ。  もちろん監督の中村高寛が語るとおり、メリーさんの消息を求めていくドキュメンタリーの通常のスタイルを期待していない。白塗りだから彼女は伝説になったのだろうが、白塗りでなければこんな女性はたくさんいたろう。問題は「ヨコハマ」だ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:14 PM

May 16, 2006

『訪れた女』ジャン=クロード・ギゲ
田中竜輔

 つい先日まで名前も知らなかった映画作家の、さらにはわずか10分ばかりの短編、しかも字幕もなく台詞の内容もほとんど理解できないような「会話劇」の作品に、なぜここまで揺さぶられたのだろう。  上映前に目を通した会話シナリオでおおよその筋はわかっていた。不倫相手に捨てられた女と、その女を家に迎え慰める女の会話劇。映画が始まると、まずひとりの女がベッドに横たわっているのが目に入る。その傍らには猫がいる。...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:59 AM

May 15, 2006

『女たち 女たち』ポール・ヴェキアリ
梅本洋一

 モンパルナス墓地に面したアパルトマンに中年に達したふたりの女性が住んでいる。壁には30年代の映画スターたちのポートレートや当時の映画雑誌「Cinemanie」「Cinevie」の表紙が無数にところ狭しと飾られ、年上の女性はまるで少女のような衣装を身にまとい、年少の方はどうも女優らしい。ふたりの関係は分からないし、冒頭の長いワンシーン・ワンショットでの対話の内容も、実に内容がなく、彼女たちの正体が...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:08 PM

May 8, 2006

『ニュー・ワールド』テレンス・マリック
田中竜輔

『シン・レッド・ライン』の舞台で『天国の日々』を撮ったようなフィルム。この映画のことを聞いてからというものそんなイメージを漠然と思い浮かべていたし、実際にそのような感想も聞いていた。確かにそれは間違ってはいないだろう。だが、『ニュー・ワールド』は決してテレンス・マリック自身のリファレンスによってのみ作り上げられただけのフィルムではない。  たとえば、原住民の一人が地面に荷物を置くという些細なアク...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:35 AM

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