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October 8, 2009

『リミッツ・オブ・コントロール』ジム・ジャームッシュ
安田和高

 ティルダ・スウィントン、工藤夕貴、ジョン・ハート……と、じつに世界各国さまざまな俳優が登場する『リミッツ・オブ・コントロール』は、しかしけっきょくのところサングラスをかけていない者同士——つまりイザック・ド・バンコレと、ビル・マーレイ——の一騎打ちの物語である。ほとんどの登場人物がサングラスをかけているなか、そのふたりは透明な目で世界を捉えている。宇宙には——と、劇中で工藤夕貴は言うのだが——“...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:52 PM

September 29, 2009

『空気人形』是枝裕和
結城秀勇

「私は空気人形」と彼女は言うけれど、ペ・ドゥナの美しさは存在感の希薄さや空虚感を連想させるようなものではない。それよりはむしろ、ダッチワイフとしての彼女が動き出して初めて触れる、物干し竿から垂れる水滴のような美しさだと思う。表面張力で凝結して、周りの風景をきらきらと反射して、わずかな風にふるふると震える。登校途中の女の子から「いってきまーす」という挨拶を学び、富司純子の「ご苦労様」という挨拶に腰...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:59 PM

September 25, 2009

『クリーン』オリヴィエ・アサイヤス
結城秀勇

 No home, no money, no job. 出所したマギー・チャンがニック・ノルティに子供に会うことを避けてほしいと告げられる場面で、確か彼女は自らの母親としてのダメさ加減をそんなふうに形容していたのだった。その言葉通り、この映画全体を通して彼女の住処はまったくと言っていいほど描写されることがない。「思い出のあり過ぎる」ロンドンのアパートはおろか、物語の起点となるモーテルを離れて以降に...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:56 PM

September 15, 2009

『The Anchorage』C.W.ウィンター&アンダース・エドストローム
松井宏

『The Anchorage』は、何よりもまず映像を「anchor=定着」させる。共同監督のひとりであり、キャメラを廻すアンダース・エドストロームは、そもそも写真家だ。スティルをつねにフィルム撮影する彼にとって、映像とは現像なしには存在し得ない。この作品がフェード・インで始まる理由もその点にある。現像液に浸された印画紙と同じく、ここでの映像は徐々に暗闇から浮かび上がり、そして現像=定着させられる...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:25 AM

September 11, 2009

一丁倫敦と丸の内スタイル展@三菱一号館美術館
梅本洋一

 復元された三菱一号館と竣工記念として開催されている「一丁倫敦と丸の内スタイル」展を見た。  コンドル設計の三菱一号館は、丸の内が100フィートの高さに設定され、モダニズムのオフィスビルが建ち並んだ後も、1968年までこの場所に残っていた。「一丁倫敦」という呼称の名残のように、周囲との不調和のままここにあった。ぼくもかすかに覚えている。もちろん中に入ったことはなかった。復元され美術館として誕生した...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:26 PM

September 9, 2009

『リプリー 暴かれた贋作』ロジャー・スポティスウッド
結城秀勇

『太陽がいっぱい』、『アメリカの友人』をはじめとして、それぞれ複数回映画化されているパトリシア・ハイスミスのリプリー・シリーズ中のThe Talented Mr. RipleyとRipley's Gameだが、なぜかその間に挟まるRipley Undergroundは映画化されていなかった。『トゥモロー・ネバー・ダイ』のロジャー・スポティスウッド監督によって2005年に撮影された本作はdvdスル...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:01 PM

September 4, 2009

ケンチク+ XXX 『 Dialogue and Studies in XXX , 2009 Tokyo 』15人の建築家と15人の表現者による対話実験@ワタリウム美術館 第一回 長坂常×植原亮輔+渡邊良重[D-BROS]
結城秀勇

 このサイト、およびnobody本誌でも時折ご寄稿いただく藤原徹平さんが企画・コーディネートをつとめる15回の対話。その第一回は、書籍『B面からA面にかわるとき』が先日発売された長坂常と、D-BROSにてデザインを担当する植原亮輔と渡邊良重のふたりという組み合わせ。毎回、その両者がそれぞれにプレゼンを行った上で、その後に質問や意見を交換し合うというスタイルになっているようだ。  プレゼンはD-BR...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:40 AM

August 27, 2009

Aimee Mann JAPAN 2009 @ SHIBUYA-AX
宮一紀

 4年ぶりとなるエイミー・マン単独来日ツアーの東京公演が8月25日に行われた。前回のツアーは恵比寿リキッドでのバンド編成だったそうだが、今回は3人による変則的なアコースティック。ほとんどがスタンディングのフロアで、7,500円というやや強気な価格設定。何となく開始前からイベントのオーガナイズに対して不信感が募る。とはいえ当日はけっこうコアなエイミー・ファンが集まって、イントロでは即座に大きな歓声が...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:02 AM

August 6, 2009

『ボルト』バイロン・ハワード、クリス・ウィリアムズ
結城秀勇

『魔法にかけられて』に引き続きまたしてもディズニーは、入れ子状の、ファンタジーの生成についての自己言及的な作品を製作している。そしてこの『ボルト』も『魔法にかけられて』と同様に、その過程を経てできあがった作品が果たしてファンタジーとして成立するのかという点においては、あまり検討を重ねているようには見えない。  プリンセスが現実の世界にやってきて、現実とファンタジーは違うことを学び、現実の中で生き...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:15 PM

August 4, 2009

『3時10分、決断のとき』ジェームズ・マンゴールド
渡辺進也

 アメリカでの公開から2年遅れて、この度日本公開されるジェームズ・マンゴールドの新作は1957年にデルマー・デイヴィスによって監督された『決断の3時10分』のリメイク作品である。名の知れた悪漢を生活苦の農場主が金のために護送するストーリーを持つ、勧善懲悪に収まらないこの西部劇を、オリジナルのストーリーをほぼ変えることなく、そこにオリジナルでほとんど描かれることのない、駅馬車を襲う場面や護送する道中...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:26 PM

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