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June 7, 2007

『監督・ばんざい』北野武
梅本洋一

 創作活動のある時期に自己言及性へと向かう映画作家たちがいる。フェリーニの『81/2』、トリュフォー『アメリカの夜』、ゴダール『パッション』、ヴェンダース『ことの次第』……。ちょっと思い出すだけでも何本も挙がる。  そして北野武も『監督・ばんざい』を撮った。多くのジャンルのジャルゴンを並べては放置する作業、それらは、このフィルムで常に登場する青い衣裳を着た「監督人形」のように、それぞれのジャンルを...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:41 AM

キリンカップ 日本対コロンビア 0-0
梅本洋一

 「海外組」が揃った参加した対コロンビア戦は、オシムがめざすフットボールがとても難しいものであることを証明した。中盤に稲本、左サイドに中田浩二が起用された前半は、中盤のプレスがまったくかからず、そのふたりがほとんど消えていた状態だった。後半にそのふたりに代えて羽生と今野が投入されると、まるでカンフル剤が打たれた体のようにチームが甦った。稲本と羽生のプレイスタイルが異なるのは事実だが、今野と中田浩二...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:40 AM

June 4, 2007

怒濤のテストマッチ・シリーズ
梅本洋一

 公私ともに多忙なのにラグビーの重要なテストマッチが重なる。パシフィック・ネイションズ・カップのトンガ対日本戦、南半球遠征中のウェールズがワラビーズと2戦、イングランドがスプリングボクスと2戦、そしてフランスがオールブラックスと対戦。  まずジャパンのトンガ戦。結果は20-17の辛勝。勝つことが目的なら、この結果でまずまずだろうが、ゲームとしてはストレスが溜まる。相変わらずのSOの判断ミスの多さ。...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:32 PM

『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』ジョー・カーナハン
結城秀勇

 利害の対立する複数のグループが、同一の標的をもとめて互いにつぶし合うという筋書きは決して目新しいものだとは言えない。複数のグループごとの視点が、ターゲットに近づいていくごとに収束していき、結果として同じ瞬間が重複して描かれる。すなわちそれぞれのグループと対象との距離に反比例するように、決定的瞬間の訪れは引き延ばされていく。そんな語りの手法も、これまた今となってはありふれたものである。張られた伏線...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:17 PM

June 2, 2007

「[新訳]今昔物語」東京藝術大学大学院 映像研究科制作作品
渡辺進也

中編作品の方を見に行く時間が取れなかったのでなんともいえないが、このオムニバス作品の方は中編作品とは違って、『今昔物語』という古典を原作とするということ、長さも20分前後にするといったようにあらかじめ制作にあたってより縛りがある。それゆえ、ここで問われるのは作品世界としてどうなのかということよりも、むしろエクササイズとしてどのようなレッスンを行えるかということだろう。もちろん登場人物をどう現代風に...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:56 AM

『14歳』廣末哲万
渡辺進也

 最近、映画を見ていて「何も起こらないな」という印象を持つことが増えている。正確に言えば、何も起こっていないわけではないので、何か事件が起こったとしてもそこから物語が展開しないということだろうか。ずっと違和感を抱えていたのだが、先日、黒沢清が「いまの日本映画には物語がない。あるのは日常である」というようなニュアンスのことを話しているのを読んでそういうことかとすごく納得した。  『14歳』はそうした...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:50 AM

May 30, 2007

『CREEP』酒井耕、『from DARK』大門未希生
結城秀勇

 アップが遅くなってしまったが、芸大映像研究科の修了作品であるふたつの作品について述べておきたい。  まず『CREEP』。男子高校生と20代前半の女性との駆け落ちと、地質学者の秘められた過去が交錯していくさまを描くこの作品では、テーマである「埋もれてしまった過去が現在を揺り動かす」ということからくるのであろう、冒頭から微妙に揺れ動くカメラが印象的である。ここで取り上げる2作品、そして以前にこのサイ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:58 PM

東浩紀×仲俣暁生『工学化する都市・生・文化』(「新潮」6月号)
梅本洋一

 荻野洋一のblogに掲載された文章に触発されて、ぼくもこの対談を読んでみた。それ以前に、東と北田暁大の『東京から考える──格差・郊外・ナショナリズム』(NHK出版)を読んだとき、非常に強く感じた違和をここでも考えてみたいと思ったからだ。ふたりが長い対談で交わした言葉たちをワンフレイズで要約するのは失礼だが、郊外のジャスコ化という現象には、誰でもが頷くだろう。しかし都市の変貌がそうした方向でいいも...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:15 AM

May 24, 2007

『兎のダンス』池田千尋
結城秀勇

冒頭の緩やかなパンダウンや、山道を車がカーヴするのを捉えたショット、あるいは古い一軒家の開け放たれた広い空間で人々が行き来するのを捉えたショットなどでのカメラの動きには心躍るものがあり、なるほど前評判の「レベルの高さ」とはこういったことかと納得する。しかしその反面で、静止する登場人物たちを見つめる視線の「日本映画」っぽさにはいささか閉口する。いやこのような言い方ではぐらかすのは良くないだろうか。動...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:25 PM

May 20, 2007

『ラッキー・ユー』 カーティス・ハンソン
松井 宏

 ギャンブルものに付随するあらゆる要素--暴力と欲動、陰謀、舞台裏、成り上がり、浮上と落下の悲劇etc--を削ぎ落とし、ではいったい何がこのフィルムに残されるのかと心配するやもしれぬが、心配無用、もちろんここには恋があり、また父子の物語さえ中心にある。だが『ラッキー・ユー』においてまず重要なのは共同体である。冒頭から少し奇妙な感触があるのだ。ハック(エリック・バナ)が郊外の寂れた質屋から煌めくヴェ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:01 PM

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